「漂流映画」漂流教室 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

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漂流教室

劇場公開日 1987年7月11日
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漂流映画

突如教室ごと、文明が荒廃した未来へ飛ばされてしまった少年少女たちのサバイバル。
映像化不可能と言われた楳図かずおの名作漫画を映画化した、大林宣彦1987年の監督作品。
一部ではカルト作とも、その一方、迷作、怪作、駄作とも言われる本作を、このほど初鑑賞。
感想は…
う~ん、これは確かに…。

原作漫画は未読。
なので、Wikipediaでちょっと調べてみたら、謎の改変が漂流しまくり。
原作では普通の小学生である主人公が、帰国子女に。
通う学校も様々な国籍の子供たちが集うインターナショナル・スクールに。
台詞も英語が多く、海外公開を視野に入れてかスタッフ/キャスト・クレジットも英語。
何故??
最たるは、作風。
原作はやがて子供たちの本能や残酷な面が浮き彫りになり、遂には人喰いにまで至るダークな内容らしいが、絶望的な状況の中で前向きに未来に希望を持って生きるような作風に。
勿論パニックや極限状態下のサスペンスなどシリアスな描写もあるものの、緊迫感が全く足りない。
そこに、ほのぼの描写、コミカル描写、ファミリー向けな描写が変に捩じ込まれ、作品を殊更意味不明なものにしている。
大林監督は青春映画の名作を多く手掛け、それを本作でも活かそうとしたのかもしれないが、完全に外している。

原作未読でも難点がまだまだ漂流。
先生の結婚祝いが、突然ミュージカルに。
砂を吐く先生の死体や顔に大火傷を負ったグロメイクなど楳図作品らしいインパクトあるシーンも頑張って盛り込んでいるが、力量不足。
子供たちの前に現れるモンスターの造型が子供向け番組レベル。
世界観の乏しさ。砂漠のシーンを本来はロケで行う予定が、スタジオ撮影に。スタッフの苦労は察するが、砂漠の広大さが全く感じられず、背景との合成も何という酷さ…。

タイムスリップ前に母親と喧嘩してしまった主人公。
時空を隔てた母と息子の絆。
ラストは未来の子供たちからもう会えない親へのメッセージ。
一応原作通りらしいが、チープ過ぎ…。
大林監督らしい実験的なチャレンジか、本気でやってこれか、出来映えも演出も特撮も含め、さすがにこれは…。

唯一嬉しかった点は、
原作ファンにとっては楳図かずおのゲスト出演かもしれないが(当人は本作を批判)、やはり特撮映画ファンとしては、本多猪四郎監督のゲスト出演。
主人公の祖父役で、台詞も無いワンシーンだけだが、大林監督のリスペクトを感じた。

どうやら大林監督も、作りながら漂流してしまったかのようだ。
大林監督と言えば、余命宣告を受けてまで作り上げた執念作『花筐』が見たい!

近大
さん / 2018年9月2日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  寝られる
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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