母山彦

劇場公開日:

解説

「お国と五平」の八住利雄が脚本を書き、「女王蜂(1952)」の田中重雄が監督に、同じく渡辺公夫が撮影に当たっている。出演者は「呼子星」の三益愛子、三橋達也、松島トモ子、星美智子、「西陣の姉妹」の三浦光子、「あばれ熨斗」の長谷川裕見子、「女王蜂(1952)」の船越英二のほか山内明、白鳥みづえ、小沢栄などである。

1952年製作/99分/日本
配給:大映
劇場公開日:1952年4月24日

ストーリー

おはまの夫庄三郎は伸一、圭子、洋子の三人をかばおうとして事故で死んだ。爾来おはまは苦闘十年、子供の成長をたのしみに生きて来た。伸一はボクサーに、圭子は小学校の先生に、洋子は踊子にそれぞれの生活を見出すようになった。しかしこれでおはまの苦労がなくなったわけではない。洋子が新興財閥の垣内家の次男と結婚したいといい、釣合わぬ縁だと反対されると家出をしてしまった。気の優しい圭子は、学校の遠足の帰途、船が転覆して生徒が四人溺死し、圭子は行方不明になった。しかし数日後圭子はやせ衰えて帰って来た。自責の念から自殺を思ってさまよっていたのだった。同僚岡見先生の親切なすすめで圭子は自首しやがて許されて帰って来た。拳闘界で人気の出た伸一も迷走神経をすっかりやられていて、大切なタイトル・マッチにみじめな敗北をし、やけ酒に酔ったあげく修を傷つけ警察へ連行された。伸一の恋人里枝は既に彼の子を宿しているという。おはまは彼女を自分の許に引取ってやった。しかしおはまはそれでも子供たちを信じ、いつかみんなに幸福の日のおとずれることを信じているのだった。

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