「悲劇のつるべ打ち」博奕打ち 総長賭博 みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
悲劇のつるべ打ち
ヤクザ映画が初めて芸術面でも評価された作品です。
あるヤクザの一家の跡目問題が、取り返しの付かない大悲劇へとなだれ込んで行く様子が、とにかく凄まじいの一言。
見終わった後は、余りの悲愴感に暫く動けなかったぐらいでした。
ラストでの主人公の鶴田浩二が悪の元凶である金子信雄演じる叔父貴分に、ドスを向けるシーンでのセリフのやりとりがスゴく心に響きました。
金子「叔父貴分のワシにドスを向ける気か。てめェの任侠道はそんなもんだったのか!」
鶴田「任侠道、そんなもの俺にはねえ。俺はただのケチな人殺しだ」
ヤクザ社会の掟や義理と人情が一線を超えてしまった瞬間ですね。
でもそれも仕方ないな、と思えるほどの極悪非道の仕打ちを、主人公はずっと受け続けていたんですもの。
さぞかしはちきれんばかりに膨れあがった堪忍袋の緒が、ついに切れちゃったんでしょうね。
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