泪橋

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泪橋

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解説

十年の歳月をへだてて同じ家にかくまわれた男と女とその周囲の人々の、隠された過去や心の奥底を描く。村松友視の同名小説の映画化で、脚本は村松と唐十郎の共同執筆。監督は「夕暮まで」の黒木和雄、撮影は「きらめきの季節」の大津幸四郎がそれぞれ担当。

1983年製作/117分/日本
原題:A Bridge of Tears
配給:東映セントラルフィルム

ストーリー

ある日、泪橋の近くの兵藤和装店を、英語の百科辞典を売り歩くセールスマン、白井健一が訪れた。店の主人・加吉もその長年の相棒である地玉子屋の一兵も彼を見て驚く。十年前、白井が過激派の学生として警察に追われていたところを、二人に助けられ加吉の家の二階にかくまってもらったのである。しかし、白井は本当は過激派の学生でなく、ある大物の囲い女と深い仲になり、男たちに追われていたところを学生たちの群れにまぎれこんだのであった。そして十年後の今、この家の二階には千鶴という娘がかくまわれていた。千鶴はもとキャバレーのホステスをしていて店をやめる前日、山本というボーイに赤い石をはめこんだ指輪を、客の一人に渡すように頼んで仲間のリカと博多へ旅立ったという。その後山本は何物かにアイスピックで殺されている。白井の妻・秋子が妊娠し、しきりにマイホーム計画を立てる。うんざりした白井の足は自然と泪橋に向かった。そこで千鶴と出合った白井は、近くのスナックへ。千鶴はマスターに二年前の殺人事件と赤い指輪のことをしつこく聞いた。その帰り、白井は初めて千鶴を抱いた。白井は千鶴の友人・リカから、博多の旅というのは千石イエスと呼ばれる初老の男と一緒だったことを聞く。いまその男は研ぎ石屋になっているらしい。千鶴と行ったスナックで、白井はあの赤い指輪を持った、次郎という店の常連に出会った。そして次郎が泥酔したスキを見て、白井は指輪を奪う。指輪を持って白井と千鶴は再びスナックへ。そこに次郎が来た。かつて次郎は千鶴の兄・修造が営むメッキ工場の職工であった。問いつめられた次郎は山本を殺したことを告白する。加吉の家の二階で、抱擁のあと千鶴は白井に「一緒にどこか遠くへ行きたい」と言う。その時、千鶴に誰かから電話がかかって来た。その頃加吉と一兵は、加吉の家から少し見上げる土手を毎日のように、犬を連れて散歩していた老人が死んだのを知り動揺していた。十年前、二人は老人の手帳を拾い、それを届けたときからかなりのお金を受け取っていたのだった。川の見える一兵の鶏小屋で向いあう千鶴と修造。修造は千鶴を連れ戻しに来たのだが、千鶴は嫌がる。千鶴が家を出たのは、修造と相姦したからだった。妹を力づくで犯した修造は、ゆっくりと千鶴の首を絞めた。その時白井は泪橋に佇んでいた。そして川にころがり落ちた千鶴を引きあげ、鈴ヶ森の刑場に連れて行った。

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