劇場公開日 1985年6月15日

「繰り返し観た作品」友よ、静かに瞑れ ジャッカルさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0繰り返し観た作品

2013年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、DVD/BD、TV地上波

泣ける

悲しい

興奮

俺が、北方謙三を初めて知ったのは、この映画の予告編だった。
その時から劇場で公開されるまでに、この作家の小説は20冊以上読んでいた、と俺は思う。つまり北方ワールドにドップリ浸かった状態で、劇場に足を運んだのだ。
最初の印象は、かなりガッカリな感じだった。
理由は明確で、ポスターに撮影された藤竜也で造られていた主人公イメージと比べるとスクリーンに映された藤竜也の主人公は、終始ボロボロな感じがしたからだ、と俺は思う。
しかしその後、北方謙三の作品を読む度にスクリーンのイメージの方が強くなって来て、もう一度観たい!て思った時にはロードショーは終わっていて、途方にくれた覚えがある。
その直後くらいに、レンタルビデオができて、松田優作の映画なんかと一緒にしょっちゅう借りていた。当時付き合っていた女がディズニー映画中心に借りて来るので、いつもどれを先に観るかで喧嘩になったっけ。
話が横道に逸れたが、この作品のすごいところは、原作の世界観をスクリーンで表現するためにステージをまるっきり変えて、キャスティングを完璧にして、後は藤竜也をどれだけかっこ良く撮影するか、だけで出来ている単純さだ。小説の再現、に集中してメッセージ性とかは全て原作に任せる。原作が良いとこれだけで済むって事の見本だな。
ラストとかで、今ではちょっと小っ恥ずかしい表現もあるけれども、やっぱり良い映画だ、と俺は思う。

ジャッカル