丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる

劇場公開日:1989年1月14日

解説

昭和27年に高知県で起きたバス転落事故を元に幻想的な死後の世界を描く。製作・企画・原案・脚本・総監督・出演と丹波哲郎が一人六役を務め、共同脚本は溝田佳奈、監督は新人の石田照、撮影は「父」の岡崎宏三がそれぞれ担当。

1989年製作/97分/日本
配給:松竹富士
劇場公開日:1989年1月14日

あらすじ

若き物理学者曽我隆はアメリカのギルバート博士と国際心霊研究会へ出席する途中で事故に遭い死亡した。曽我の魂は肉体を離れ、霊人キヨに導かれて精霊界へ。そこでエルザと再会した。ここで死者達はそれぞれの霊格に適した霊界へと送られる。霊界でも性欲だけが強く残る者がおり、エルザは連れ去られてしまった。精霊界で本性を洗い出された曽我はキヨの案内で霊界巡りをした。霊界の村では百年に一度霊祭があり、人間界へ修行のために転生する者もいる。やがて曽我は自殺者の森を経て、天使達の住む天界層へ出た。そしてそこで曽我は生き返るチャンスを与えられたのだった。

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映画レビュー

5.0 死は永遠の別れではなく再会の約束。私の理想のあの世がここに。

2026年4月25日
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鑑賞方法:その他

泣ける

「死んだらどうなるんだろう?」
そんな普遍的な問いに対し、丹波哲郎氏という一人の映画人が圧倒的な情熱と執念で答えを提示したのが本作だ。今の時代に観ると、その極彩色のビジュアルや演出には昭和特有のケレン味を感じるが、そこに込められたメッセージは驚くほど優しく、そして温かい。
私にとって、この映画が描く死後の世界は「理想」そのものだ。
特に、先に旅立った家族と再会できるという描写には、胸が熱くなる。
「さよなら」は永遠の別れではなく、また向こうで会うための、しばしの約束に過ぎないのだと思わせてくれる。

1989年当時の特撮技術を駆使して作られた「霊界」の風景は、どこかサイケデリックで、レトロな美しさに満ちている。この独特の質感が、かえって「ここではないどこか」への想像力を掻き立て、死に対する恐怖を、不思議な安らぎへと変えてくれる。

「死ぬのが楽しみになる」という有名な言葉。
それは決して現世を軽んじることではなく、最期に笑顔で「ただいま」と言える場所が待っていると信じることで、今をより懸命に、愛おしく生きるための魔法の言葉なのだと感じた。
もし、愛する人との別れに立ち止まっている人がいるなら、ぜひこの「救いの物語」に触れてみてほしい。

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