「衝撃波の猛威を描いた特撮が圧巻!」空の大怪獣ラドン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃波の猛威を描いた特撮が圧巻!
DVDで2回目の鑑賞。
原作は未読です。
本邦初、総天然色で製作された特撮怪獣映画。ゴジラに続いて創造された空の大怪獣ラドンの猛威を圧巻の特撮で描いていました。「総天然色」って無条件で心沸き立つなぁ…
阿蘇炭鉱で連続殺人が発生し、犯人の謎にスリルを掻き立てられました。サスペンス描写が冴え渡っていましたが、早々に下手人がメガヌロンだと明かしてしまったので拍子抜け…
しかし、そこからの展開がドラマティック。記憶喪失になった主人公が崩落した洞窟の奥でいったい何を見たのか、と云う謎に加え、世界各地で破壊現象が続発するサスペンスが緊張感を高めて来ました。脚本の素晴らしさに感心しました。
復活したラドンの登場で全てが収斂し、怒涛の特撮シークエンスへ移行していく演出も見事。82分とは物足りない上映時間に感じますが、そこにこめられた密度はすごく高い…。これが本作を名作たらしめている要因のひとつな気がしました。
ラドンの、「空を飛ぶ怪獣」と云う特徴を存分に活かした迫力満点の特撮を堪能しました。特撮の神様・円谷英二の面目躍如たる素晴らしいシーンのオンパレードに大興奮!
セイバー戦闘機との息詰まる大空中戦、ソニック・ウェーブによる福岡市街の破壊(1枚1枚剥がれていく屋根瓦!)、悲壮感漂う中にどこか美しさを感じさせられるクライマックスまで、画面に惹きつけられっぱなしでした。
[余談]
「ゴジラ:キング・オブ・ザ・モンスターズ(原題)」の予告編が解禁され、同作に登場するラドンの映像に大興奮!
本作へのリスペクトがこめられているのであろう戦闘機との対決シーンがあるみたいなのでめちゃくちゃ楽しみです!
※追記(2019/06/01)
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の興奮冷めやらぬまま、本作を鑑賞することにしました。戦闘機との空中戦で見せたローリング戦法には驚きましたが、ラドンのソニック・ブームの猛威を示す描写は、本作へのリスペクトに満ちていたのだと云うことを確認出来、感無量でした。
※追記(2023/01/08)
4Kデジタルリマスター版を観て―
ブルーレイ版とは比べものにならないくらい綺麗になった画面に感動しました。全体的に黄色み掛かっていた印象で、当時使用したカラーフィルムの特性なのかと思っていましたが、そうではなかったんだな、と…。くっきりはっきりとコントラストが際立っていて、こんなにも空の青が鮮やかだったのかと、新鮮な気持ちで観ることが出来ました。
※以降の鑑賞記録
2019/06/01:DVD
2020/10/16:Blu-ray
2022/10/26:Amazon Prime Video(東宝名画座)
2023/01/08:4Kデジタルリマスター版(午前十時の映画祭12)
※リライト(2020/10/16)
※修正(2022/10/26)
ラドンって、プテラノドンが巨大化したやつだったんですね。翼長270mと映画で言っていたように聞こえたが、Googleで調べてもいろいろあって不明でした。
昔、ラドン温泉というのがあって、行ってみたいと思いつつ、実際に行ったことはありませんが、怪獣がいそうな温泉だなとは思っていました。
bloodtrailさん、コメントありがとうございます。
起き抜け早々観ました(笑)
新技を覚えるのは大変でしょうが(笑)、どんどん怪獣たちを高みへと持っていっていただきたいですねぇ…。
ゴジラの興奮冷めやらぬ中、連続してラドンですか?さすがです。御見逸れ致しました!
しかし、21世紀にハリウッドデビューするには、新技が要るんですね。怪獣も大変やなぁ…
ハリウッドゴジラ続編の予告編、見られましたか。
自分も見て、もう興奮尽きません。
衝撃波と共に街を破壊するラドンのシルエット、幻想的なモスラ、神々しさすら感じさせるギドラのシルエット、そして平成vsシリーズばりに海中に背ビレから姿を現すゴジラ…。
もうこの予告編、何度も見ちゃってます(笑)
本作は間違いなく東宝怪獣映画の傑作の一つですね。
ハリウッド版のラドンにも本作でのような魅力を期待したいです。