曽根崎心中(1978)のレビュー・感想・評価

曽根崎心中(1978)

劇場公開日 1978年4月29日
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九平次がみごと

増村保造による曽根崎心中は、文楽の現行曲が省略した部分に歌舞伎版の場面を足した、近松オリジナルに近い脚本。一見の価値あり。

梶芽衣子はホラー映画の女優のように美しい。ちょっと『ポゼッション』のイザベル・アジャーニを思い出した。

ただ、大阪出身の文楽ラバーの当方としては主役二人の台詞回しが何とももどかしい。恋愛を通して死ぬことでしか自由を得られなかった時代の切実さが、悲壮感一色になってしまった感じ。

その中で橋本功が振り切った演技で悪役・九平次を体現していた。
みごとな九平次だった。

nekonohaha
nekonohahaさん / 2016年6月17日 / PCから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  楽しい 怖い 知的
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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死への欲動 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

 人は生きることにも死ぬことにも意地が必要だ。希望を無くして死を選ぶ一方で、自らの名誉や尊厳の為に死を欲する人々がいる。
 近松門左衛門の原作のこの心中物語は、色恋のために命を懸けるというよりも、名誉の為に自死を選ぶ男女を描いている。映画は、この二人の男女が、死に向かって迷わず進んでいく様子を、形式的な台詞とアクションで淡々と描いている。ここで淡々と言うのは、平板であるとか、抑揚がないということではない。二人の激しい死への欲動は、男と女それぞれの危うい立場から必然的に生じていることへの説得力が強いのだ。その説得力の強さゆえに、観客は二人が死へと近づいていく様子を、淡々と受け止めることが出来るのだろう。
 騙されて名誉を失った徳兵衛への嫌疑が晴れるのは、二人が遊郭を出奔した後になる。真実を知った彼の叔父が、観客に代わって、騙した九平次を打擲するが、お初と徳兵衛の命は救われない。
 いままで一直線に死へ向かっていた物語は、ここで初めて、二人を死へと追いやった周囲の人物や、社会状況へ視線を向け直すことになる。淡々とした流れが、ここで一気に逆流するのである。この逆流こそが、観客が体験する初めての葛藤ではないだろうか。ただし、この葛藤はもはやわずかな嘆息も受け入れないほどに固く大きい。だからこそ、二人の死を最後は静かに受け入れることができるではないだろうか。
 人物の細々とした葛藤をあえて排した描写が、二人の死を納得できるものにしている。

よしただ
よしたださん / 2014年7月18日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  悲しい 興奮 幸せ
  • 鑑賞方法:映画館
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