千利休 本覺坊遺文

劇場公開日:

解説

千利休四百年遠忌特別作品。安土・桃山時代の茶人・千利休の謎に包まれた晩年を、愛弟子・本覚坊らが解き明かしていく様子を描く。井上靖原作の小説『本覺坊遺文』の映画化で、脚本は「天平の甍」の依田義賢が執筆。監督は「海と毒薬」の熊井啓、撮影は「女衒」の栃沢正夫がそれぞれ担当。

1989年製作/107分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1989年10月7日

ストーリー

千利休が太閤秀吉の命で自刃してから27年後、愛弟子だった本覺坊は心の師と語らうのみの生活を送っていた。ある日本覺坊は、利休がなぜ秀吉の怒りを買って死んだのか、理由を解明しようと情熱を傾ける織田有楽斎に会って感動を覚えた。そして一年後、本覺坊は有楽斎に、利休の晩年山崎の妙喜庵で催された真夜中の茶会について話した。客は秀吉と、後に小田原落城で秀吉に刃向かって切腹した山上宗二だったが、もう一人がわからなかった。さらに一年後、有楽斎は残る客の一人は利休の弟子の古田織部だと見抜いた。織部も大坂夏の陣で豊臣方に内通したかどで、利休や山上宗二と共に自刃したが、実は三人とも死を誓い合っていた。翌年有楽斎は体が弱り危篤となったが、なお利休の最期の心境を知りたがっていた。本覺坊は夢にみた利休と秀吉の最期の茶事の光景を語り始めた。秀吉は一時の感情で下した利休に対する切腹の命を取り消したが、利休は茶人として守らなければならない砦のために切腹すると言い切った。本覺坊の話が利休の切腹に及ぼうとするところで、有楽斎はもうろうとした意識の中で刃を取って切腹したのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第13回 日本アカデミー賞(1990年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 熊井啓
脚本賞 依田義賢
主演男優賞 奥田瑛二
助演男優賞 萬屋錦之介
音楽賞 松村禎三
詳細情報を表示

映画レビュー

3.0熊井版千利休

2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
kossy

3.5茶人としての利休の道

2022年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

奥田瑛二扮する本覚坊遺文は、三船敏郎扮する千利休の弟子でありあの世の道を行く千利休の後を追っている夢を見た。ある日本覚坊は、萬屋錦之介扮する織田有楽斎を訪ねた。利休が亡くなって27年経っていた。何故にして千利休が切腹したのか織田有楽斎でも知らなかった。

利休の死について皆で語り合うも全ては分からず。茶人としての利休の道。茶室はただひとりで立てこもる砦であったと言うがなかなか難解だったね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
重

3.0織部釉は好き

2022年10月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ぷにゃぷにゃ

3.0佗茶を権勢の場に持ち込んでしまった矛盾を…

2022年10月19日
スマートフォンから投稿

1989年の劇場公開時は、
勅使河原監督の「利休」との同時公開が
話題になっていた。
「利休」のキャッチコピーは
「美は、ゆるがない。」だったが、
逆に美に溺れた印象があり、
この「本覺坊…」の方が圧倒的に面白かった
記憶がある。
因みにキネマ旬報では、同じ年に
「本覚坊…」が第3位、
「利休」が第7位だった。

今回の鑑賞はCMの入る民放放映
でのものだったので
短縮版になっていないか心配したが、
録画機でCMを除去したら
ノーカット版だったことが分かり、
安堵して鑑賞することが出来た。
しかし、33年ぶりに改めて鑑賞すると、
この作品も「利休」に負けず劣らず
様式美にこだわった作品のように思えた。

この映画、ミステリー仕立てで
映像世界へ引き付けられるものの、
茶道の“さ”の字も知らない小生には、
三人の茶人の示し合わせての
命を懸けた権力への諍いの心理は
想像の域を超える。
劇場公開時に購入したパンフレットでは、
熊井啓監督の
「切腹は佗茶を権勢の場や戦場に
持ち込んでしまった利休が、
その矛盾を解決するために、
自ら選択した潔い行為であった」
とのコメントが一番腑に落ちた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
KENZO一級建築士事務所
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

他のユーザーは「千利休 本覺坊遺文」以外にこんな作品をCheck-inしています。