劇場公開日 1970年10月3日

「☆☆☆★★★ エヘへへへへ…って事で、玉川良一のクズっぷりが素晴ら...」しびれくらげ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★★ エヘへへへへ…って事で、玉川良一のクズっぷりが素晴ら...

2018年2月12日
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☆☆☆★★★

エヘへへへへ…って事で、玉川良一のクズっぷりが素晴らしすぎる。
いや!それだけではなく、登場人物達全員がクズの集まりだ!それはそれはもう潔いい程だ!

但し、そのクズの中にも人間の純粋さがほんの少しだけ垣間見れる、ここに増村演出の真骨頂が隠されている。

とにかく馬鹿な父親役の玉川良一が素晴らしく。肝心のヒロイン役である渥美マリは、台詞や容姿を含め、ちょっとずつだけど「なんだかな〜!」…的なところは有るのだけれど。最後の最後に来て、とことん堕ちて行く悪女役で悪くない。

そりゃ〜、増村=若尾による過去の黄金コンビと比べてしまっては、元も子もない。
この作品が製作された時期は。最早黄金コンビにより傑作が生まれた時とは、社会通念や風俗的な事とかの諸々が違う時代。いつまでも着物がはだけるだけの描写では通用しなくなっていた時代なのだから。
その為に、作品自体が幾分か通俗的になってしまっているのは、致し方無いと思うのだ。
だからと言って、監督増村保造の演出力が衰えた…的な扱いを今日受けているのは「ちょっと違うのじゃないか?」と思ってしまう。

2018年2月9日 新・文芸坐

松井の天井直撃ホームラン