劇場公開日 1954年3月31日

「名作だが寓話的ファンタジー幻想は少なめ。」山椒大夫 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0名作だが寓話的ファンタジー幻想は少なめ。

2020年4月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

早稲田松竹にて溝口健二の2本立て

「山椒大夫」4Kデジタルリマスター版なのでとりあえず鑑賞。

子供の頃に読んだ事のある安寿と厨子王の物語で、大筋は、昔から知っているので、展開に驚きはないが、姉弟が逆の兄妹に変更してあり、悪党の山椒太夫を処刑するところがないのが不満。

原作通りにノコギリで悪党の山椒太夫を頭をギコギコしてくれないと爽快感がない。(オイ!)

身代わり仏像や死後の見守りなどの原点に有ったと記憶しているファンタジーな要素も完全に排除しているのは、リアリストの溝口らしい。

少年の頃の厨子王が、子役時代の津川雅彦なので、とても凛凛しいのだか、成長したらあれ?風体も滑舌も個人的に今ひとつの俳優変わって、子役時代が、良いのに成長したらどうしてこうなった?なキャスト。市川雷蔵だったら文句なしだか。

田中絹代も兄妹の母親役で、これまた酷い目に遭わされる。強制娼婦にされて逃げないようにアキレス腱を切られ、盲目に・・酷い。

個人的な不満も有るが、ともかく4Kデジタルによって蘇った、平安期の豪華なセットや衣装とロケ撮影も素晴らしい。

ミラーズ