劇場公開日 1972年12月29日

讃歌のレビュー・感想・評価

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4.0ATG = 日本アート・シアター・ギルド

2024年3月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

せっかく同一原作から映画が8度も作られているのだから、
新藤兼人さんも同名で、「春琴抄」のままで良かったのではないかな。
観比べる楽しみが増えますからね。

いかにもなATG。
テーマも、画像も、演技も、音楽も。
実験的で先鋭化した作品を、数々と生み出してきたムーブメントです。

1972年。
うちの隣地の大学では、機動隊と若者が連日闘っておりました。
佐助が抱えた縫い針と、突撃する学生たちのゲバ棒が、どこか重なります。
確かに、
「純愛」と「革命的闘争理念」のためには、眼球も生命も捧げて捨てた。
それがあの時代でした。

学生たちや意識高い系の観衆が、眉間にしわを寄せてこれを観ていたのでしょうけれど、
お師匠さまの春琴が、厠 カワヤ でつくばっている後ろ姿とか、
蒔絵の鉢でうやうやしく運ぶ大便とか、
白塗りで佐助と情交しているあられも無いシーンとか、
「山口百恵・三浦友和バージョン」では、あれらは一体どうなっているんだろうと
淫らに夢見ます。

エログロナンセンス
闘争勝利

谷崎潤一郎は、めっぽう助平な、大衆流行作家だったんですねぇ。

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きりん