劇場公開日 1959年1月14日

細雪(1959)のレビュー・感想・評価

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3.5雪子ちゃん 結婚しなくてもいい 自分で決めな

2021年8月26日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

大好きな『細雪』を初めて映画で見た!舞台も見たことない!この映画は私が見たかった「細雪」ではなかった。次女の幸子が好きなキャラクターでその役が京マチ子なのでそれ目当てで見に来たようなもんだった。この映画では三女の雪子と四女の妙子にフォーカスか置かれてなおかつ妙子の比重がちょっと大きかったのが残念だった。

でもそれを蹴飛ばすほど雪子演じる山本富士子が素晴らしかった。共に大阪生まれの京マチ子と山本富士子が大阪ことばと着物を纏って美しかった。二人ともあの世代にしては身長が高いと思うのだけれど、外を歩くときに山本富士子が履く草履の底が京マチ子よりやたら厚さがあって不思議だった。

船場の名家のお嬢様たちのハイカラ趣味とか近所に住んでいた西洋人家族とのお付き合い、当時公開されたドイツ映画「未完成交響曲」を見に行くとか、姉妹が病気の話をするとか、最後、雪子が今度は上手くいく予感の見合いの為に東京に向かう列車の中でお腹の具合が悪くなってトイレに駆け込むとか、そういう場面が本当は見たかった。

でも、雪子は原作よりもずっと自分の意志を持っていて行動力があり、実家ブランドや贅沢に未練なく、妹のことも一番理解していた。そういう自立して凛とした心根の優しい雪子に山本富士子はぴったりでした。だから結婚しなくて大丈夫、そのままがいいと心の中で山本富士子・雪子に声をかけました。

原作にあり映画にもあって嬉しかったのは帯のくだり。新しいおろしたての帯をすると息したときにプ~と音がなる、とプ~プ~鳴らしながら帯をあれこれ試す幸子と手を貸す雪子がお喋りする場面のなんて可愛らしいこと💕

おまけ
雪子の見合い相手として出演の船越英二が怪演!少し老けた年齢だが職業も収入も家柄も問題ない。ところが独り言癖がある!それを見合いの席でやらかした!怖くてびっくりしたけれど名演技で笑えました!

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talisman