劇場公開日 1994年12月10日

「平成VSシリーズの総決算的内容ながら、話が荒唐無稽過ぎて…」ゴジラVSスペースゴジラ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0平成VSシリーズの総決算的内容ながら、話が荒唐無稽過ぎて…

2012年6月18日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

シリーズ21作目。

本来なら『vsメカゴジラ』の次はハリウッド版が製作される予定だったが、
製作がなかなか進行せず。VSシリーズ続行。

植物怪獣ビオランテ、ドラゴン怪獣キングギドラ、昆虫怪獣モスラ、メカ怪獣メカゴジラ…と続いた平成VSシリーズ。
次なる対戦相手は、宇宙怪獣。
もう一度、宇宙のキングギドラを!…という声もあったらしいが、宇宙の新怪獣。
その名も、スペースゴジラ。
宇宙に飛び散ったゴジラ細胞から誕生した凶悪な宇宙のゴジラだ。
体内に結晶体を取り込み、超能力のようなパワーを駆使してゴジラに戦いを挑む。

前作に引き続き、Gフォースもゴジラとの戦いに挑む。
メカゴジラに次ぐ対ゴジラ戦闘マシンとして、MOGERAが登場。
東宝特撮の名作『地球防衛軍』で侵略ロボットとして登場したモゲラが装いも新たに復活。
合体・変形型ロボットで、男心をくすぐる。

監督に山下賢章、脚本に柏原寛司、音楽に服部隆之と、メインスタッフがチェンジ。
本編は柏原寛司ならではの戦う男たちのロマンとなっている。
平成VSシリーズの顔、三枝未希が初ヒロインとなり、ロマンスも描かれる。

スペースゴジラはゴジラ細胞から誕生したビオランテとかつての宇宙怪獣であるキングギドラを彷彿とさせ、モスラも登場、前作のメカゴジラの流れを汲むGフォースと戦闘ロボット…というように、平成VSシリーズの要素が全て組み込まれている。
ならば平成VSシリーズ最高作…と言いたい所だが、残念ながら、ワースト作と感じてしまった。
話がリアリティに欠け、余りに荒唐無稽なのが痛い。
対ゴジラ戦闘マシンとして開発されたMOGERAなのに急遽ゴジラと共闘してスペースゴジラを迎え撃ったり、
スペースゴジラとMOGERAが初めて戦う場所は宇宙、木星と土星の間の小惑星地帯で、MOGERAどれだけ速いの!?と思ったり、
スペースゴジラは何の理由も無しに日本に現れたり(これまでの平成VSシリーズの怪獣たちは日本に現れる理由があった)、
ゴジラと戦う部隊であるはずのGフォースが人質救出したり…と無茶苦茶。

とにかく楽しいゴジラ映画を作ろう!…というのは分かるんだけど、もうちょっとリアリティが欲しい。
基がSFなのだから。

野性味溢れる結城役の柄本明と、今回内面が描かれる麻生司令官役の中尾彬はナイス。

近大