恋する女たち(1986)

劇場公開日:

解説

金沢を舞台に3人の女子高生が恋に悩み、成長していく姿を描く。氷室冴子原作の同名小説の映画化で、監督は脚本も兼ねている「テイク・イット・イージー」の大森一樹、撮影は「姉妹坂」の宝田武久がそれぞれ担当。

1986年製作/98分/日本
原題または英題:Young Girls in Love
配給:東宝
劇場公開日:1986年12月13日

ストーリー

吉岡多佳子は金沢第一高校の2年生。白山の温泉町から出てきて、大学4年生の姉、比呂子と下宿生活をしている。彼女はクラスメイトの緑子の3度目の葬儀に、同じくクラスメイトの汀子と共に出かけた。緑子はクラス一の美少女だが、ショックを受けると葬儀をあげるのが趣味だった。しかし、今回の失恋のための葬儀は、今までのとは違っていた。その帰り、汀子からも好きな人がいると聞かされた多佳子はショックを受ける。親友二人の恋愛話に動転した彼女は、大胆なセクシャルシーンが売り物の映画に発作的に飛び込んだ。劇場を出たところで、クラスメイトの野球部員、沓掛勝が声をかけてきた。勝は多佳子の気になる相手なのである。最近、多佳子は誰かの視線をいつも感じていたが、それは比呂子が家庭教師をしていた一年生の神崎基志と判明した。もう一人、視ていた少女がいた。美術部で絵ばかり描いていたために留年した大江絹子である。絹子は多佳子のヌードを描きたいと言う。ある日、多佳子は汀子から彼氏、小林博史を紹介された。昔は超売れっ子の作詞家だったという30代半ばの歌人である。多佳子は神崎を誘って出かけた勝の野球の試合で、勝を応援する他校の少女、可奈の姿を見た。そして、勝に恋していることを認識し、左の横髪を切り落とした。そんな時、中学時代のツッパリ仲間とディスコに出かけた多佳子は、わざわざやって来た神崎から恋を打ち明けられる。そこに親衛隊に囲まれて緑子がディスコの女王として現れた。またその夜、汀子が博史が東京に戻ってしまうと酔って多佳子の部屋を訪れた。多佳子は偶然出会った勝から可奈との恋の悩みを打ち明けられ、ショックを受ける。どうしても自分の想いは口に出せないのだ。比呂子の卒業パーティーの夜、多佳子は勝が可奈に振られる姿を目撃、涙を流して神崎の家を訪れる。そして、神崎の父と比呂子の仲を知った。暖かくなり、多佳子、緑子、汀子の三人は、内灘海岸で野点てをし話し合った。三人とも、失恋を経験してひと回り大きくなったようだった。大学を卒業した比呂子は、白山に戻った。多佳子は絹子のために絵のモデルになる決心をし、文化祭の美術展で裸体画の前に立ちどまる勝の姿を想像するのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第11回 日本アカデミー賞(1988年)

ノミネート

監督賞 大森一樹
脚本賞 大森一樹
主演女優賞 斉藤由貴
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映画レビュー

5.0とても知的だけど堅苦しくない青春コメディー

2021年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

知的

原作既読
10代の頃に初めて読みその後も何度か読んだ少女向けの小説の名作
当時流行した集英社コバルト文庫
『なんて素敵にジャパネスク』とか『海がきこえる』も読んだな
体調不良で作家活動が出来なくなり2008年に51歳の若さで亡くなった氷室冴子の代表作の映画化
原作の小説の表紙は映画化になった影響でイラストから劇中斉藤由貴が壁に向かって胡座をかいて腕組みをするシーンになっている
その味わいをほぼ忠実に再現した大森一樹監督の代表作
個人的には邦画ベストテンに永遠にランクインさせたい傑作
興行成績としても優等生でこの作品は監督と主演女優が賞を獲得した
原作者が大学で真面目に文學を研究し青春を捧げていたんだなと強く感じさせる作品

原作は北海道だが映画ではなぜか金沢
事情は知らない

ヒロインたちが通う高校には制服がなく私服で通っている
初めて鑑賞した時は田舎者で世間知らずなので強い違和感を感じたが制服がない高校はわりとあり埼玉だと所沢高校が代表的
金沢にも私服の高校はあるそうだ
女子高生が制服姿じゃないとエロティシズムを全く感じないことに気づく
映画の設定では金沢一高という石川県でもトップクラスの進学校らしさを感じる頭がいい子が通う高校の印象
だから登場人物のやりとりもいちいち知的で文学的表現
理屈っぽいが嫌味じゃない
別にいいけど普通に酒を飲んでいる

多佳子(斉藤由貴)と汀子(相良晴子)と緑子(高井麻巳子)3人の恋する女子高生の成長を描く形
高井麻巳子はたしかに当時おニャン子クラブ所属のアイドルだがこの作品はアイドル映画でない
相良晴子はもちろん女優だしアイドル的な活動もしていたが斉藤由貴だって本来は当時から女優である
だって所属事務所は東宝芸能だし

若い頃は何度も観た映画だがここ何十年か観なくなった
歳をとってしまったからだろうか
テレビ放送されたこの作品を録画したVHSも今はない
昔はどこのTSUTAYAでも置いていたが少なくとも宮城や岩手では最近あまり見かけなくなった
そこでU-NEXTで初めて映画鑑賞

いきなり緑子の葬式
別に死んだわけじゃない
なにか精神的ショックがあると生前葬を開催し友人の多佳子と汀子を招待する恒例行事

多佳子の実家は石川白山の温泉旅館で大学に通う姉と二人暮らし
姉を演じるのは原田知世の姉でこれもまた懐かしい
姉に本をぶつけられるときの多佳子の表情が静止画像になるがそれが印象的

映画館の前での『ナインハーフ』と『ナイン』の件すき

ギバちゃんの一言に大笑いしながら「なんといういわれ方。女の悲劇だ」という縦書きの字幕も好き

決闘を止めるのに本当にワーワーキャーキャー言いながら走る多佳子が良い

崖っぷちで多佳子汀子緑子3人がお茶会するシーンも良い

この作品をきっかけに斉藤由貴の大ファンになった
斉藤由貴がとても可愛い
それに比べたら浜辺美波も永野芽郁もたいしたことがない
全くエロくないのに斉藤由貴ファンとしては何度も何度も「アラいいですねえ」の波が押し寄せてくる
寄せては返す日本海の荒波にも似た斉藤由貴の魅力
そして最後は多佳子のもう1人の友人である美術部の絹子が描いた絵を観るラストのギバちゃんと同様な表情になりながら押し流される

エンディングテーマは斉藤由貴の『May』
エンドロールがずっと裸婦画なのも珍しい

何度か不倫問題をやらかしている彼女だがそれでもすぐに何度も現場復帰できるのは業界のおじさんたちが若い頃から彼女に恋しているからだろう
だからいくらネット民が叩いても無駄なのである
ざまあみろ

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野川新栄

3.0懐かしい空気

2021年7月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

私が小学生の時の空気感を思い出したくてセレクト。懐かしい言葉遣いに懐かしい景色。昔の映画は小ネタみたいなのが良く入ってますね。斉藤由貴可愛い。ギバちゃん若い。小林聡美変わらない。

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ミカ

2.535年前の自分に

2021年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

原作が少女小説だと思うが、その風味が台詞回しに満載。
そこがちょっと入りきれなかったところ。
35年ぶりに観る作品。
当時斉藤由貴見たさに観た。
35年ぶりの今も、斉藤由貴見たさに観ている。
当時の自分に伝えてやりたいな。

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まこべえ

3.0金沢

2020年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

舞台は金沢、主人公(斉藤由貴)は大学生の姉と下宿をシェアしている高校2年生。
とんがった友人たちと恋に悩む姿が瑞々しくておかしい。
大森一樹監督の若者を描く作品は面白い。

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いやよセブン