劇場公開日 1960年5月14日

「かなり良くなったものの、まだ渡り鳥シリーズの下位互換に過ぎないです」拳銃無頼帖 電光石火の男 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5かなり良くなったものの、まだ渡り鳥シリーズの下位互換に過ぎないです

2020年6月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

拳銃無頼帖シリーズ第2作
渡り鳥シリーズ同様、シリーズといいながら毎回前作とは全く違う人物で、舞台も変わり、お話も前作の続きではなく全く違うお話になります
同じなのは登場する赤木圭一郎と宍戸錠が拳銃の名手であるということだけです

前作のお話がつまらないとい欠点を少し改善してきました

まず地方ロケ
渡り鳥シリーズのように観光要素をいれます
本作では三重県四日市
なぜにそこかというと、四日市の郊外にある御在所岳に当時世界一のロープウェイが出来たばかりだったからだと思います
劇中にも登場して素晴らしい光景を楽しませてくれます
このふもとが湯の川温泉です
昔は大阪から直通の近鉄特急があったくらい栄えていたようです

二つ目に脇役の強化
宍戸錠はこのシリーズの柱でどちらかというと、むしろ彼こそが本当の主役ですからそのまま出演です
そこに渡り鳥シリーズからもうひとり、白木マリを補強に付けます
さらに二谷英明を投入して重厚さもだしています
主人公が浅丘ルリ子をあきらめるには、二谷英明ぐらいの男でないと説得力がでません
これは石原裕次郎の赤いハンカチでも同じです

さらに新人のクレジットで吉永小百合が台詞付き、キスシーン有りの役で出演しています
まだ15歳ですが、やはり圧倒的な輝きを放っています

三つ目は脚本の強化
今回は随分ましになり普通に見れるようになっています
舞台が四日市ということで、旧の漁港と宿場町の四日市の姿と、公害で全国的に有名になる石油コンビナートで急速に都市化する四日市との、新旧の対比を、大津組とハイライト興行との対比に投影させています
といってそれがどうとかのメッセージなぞないというような程度です

ハイライトの名前は恐らく本作公開のすぐ後に発売された日本発のロングサイズのタバコのハイライトを拝借したものだと思います

前作に比べるとかなりお話は面白くなったのですが、浅丘ルリ子とのラブロマンスが盛り上がりにかけます
オマケ的扱いに過ぎません
浅丘ルリ子だけでなく、赤木圭一郎も彼女を見る目が全く輝いていません
興味なしにしかどうしても見えません

かなり良くなったものの、まだ渡り鳥シリーズの下位互換に過ぎないです

あき240