劇場公開日 1972年3月12日

「戦争の悲惨さを描いた映画というのは多数ありがと、この映画ほど落ち着...」軍旗はためく下に しょうけらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5戦争の悲惨さを描いた映画というのは多数ありがと、この映画ほど落ち着...

2022年5月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

戦争の悲惨さを描いた映画というのは多数ありがと、この映画ほど落ち着いて悲惨さを描いているものもないのではないかと思う。いくつかの人々の供述を織り交ぜた伝聞の形式で語られる話は黒澤明の羅生門を彷仏とさせるが、それ以上にキャラクターの描かれ方が真実らしいことが映画としての受け取るときの素晴らしさをもり立てているような気がする。あえてここから得られる結論を述べるとしても、あらゆる場所で語られているように、戦争は国家とその中心にいる人物が勝手に始めたことで、そのしわ寄せを受けるのはやはり大多数の弱い人々であるのだなぁと。
最近Twitterの中で戦争体験は悲惨な話しか受け取らないように検閲を受けているみたいな話を聞いたけれど、もちろん戦争の体験の中にはその中で性的や経済的に良い思いをした人も存在していて、だとしてもその中で結局敗戦の折にとばっちりを受けた大多数の人がいて、差し引きで言うと恐ろしくマイナスなのだろうと思う。それを踏まえた上で戦後の人々が戦争は悲惨であると述べていることを、枝葉末節の個々人の語りを拾ってきてそれを持って反応するのもいかがなものかと思ったりをする。

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