劇場公開日 1961年5月3日

「センス抜群!」黒い十人の女 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5センス抜群!

2021年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

こんなハイセンスな映画があるなんて知らなかった。
洒落ていて、粋である。いま観ても全然古さを感じさせない(題名も秀逸です)。

まず物語の着想がユニークだ。そのストーリーをユーモアが包み込んで、観客を魅了していく。

そして、ワンカット、ワンカットがカッコいい。
モノクロームの、大胆に余白をとった画面構成。素敵です、キマってます、シビレます。

豪華な女優陣の競演は、さながら「妖怪大戦争」のようにも感じられますが(失礼!)、見どころたっぷり。
それぞれの名女優の演技を存分に堪能することができました。

僕が生まれる前の映画なので、皆さん、僕の知ってる顔とは、かなり違っていて、「中村玉緒、こんなにふっくらして可愛かったんや」とか「岸田今日子、めっちゃカッコええやん」とか、そんなことも愉しめた。
それから、クレージーキャッツの出演もあり、サービス満点。

市川崑監督の映画づくりのセンスの良さを再認識させてくれた、そして、和田夏十の脚本づくりの巧みさに感心させられた、貴重な上映でした。

小西康陽さんが推すのも納得です(小西さん、ありがとう!)。

追記
上映が終わった瞬間、場内の何人かの人が拍手をしたので、僕もつられて手を叩きました。
映画館で拍手を聞いたのはほんとうに久しぶりでしたが、監督と作品へのリスペクトが感じられ、こころ温まる思いがしました。

やっぱり、映画は映画館で観たいですね。

peke