劇場公開日 1976年5月15日

「日本映画も凄かった!」狂った野獣(1976) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本映画も凄かった!

2020年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 バスの乗客は老若男女10数名。ヴァイオリンケースを大事そうに抱えた寡黙な男、ホステス風、ちんどん屋、不倫カップルなど様々だった。乗っ取られて15分後には警察も動きだすが、バスがどこにいるのかさっぱりわからない。おまけにバス会社に問い合わせると、運転手は病気もちで、極度に緊張すると心臓発作を起こすと言う・・・

 これぞハリウッドの『スピード』の原型!ノンストップ・カーアクションで楽しませてくれる。パニック映画とも取れるが、乗客のエゴイズムが剥きだしになるところが面白いところで、中盤、速水(渡瀬)がバスから降りることが出来るのだが、ヴァイオリンケースはバスの中に置いてしまった。そこで自転車を盗み、途中から元同僚の岩崎(星野)の単車に乗せてもらい、再びバスに戻ってしまう。実は、テストドライバーだった速水は目の病気でクビになり、宝石強盗を働いていたのだ。ヴァイオリンケースの中身は盗んだ宝石。どうしても渡せないものだったが、ハイジャック犯と争ううちに中身の宝石がバス内に散乱してしまう。それを見た乗客たちは我こそがとこっそりネコババする始末。そんな折、バス運転手が発作で死亡。逃げたい速水と犯人の二人。しょうがなく、速水がバスを運転してハイジャックの続きを引き継いだのだ(笑)。

 やがて、乗っ取りの主導権が速水に移行してしまう心理展開や乗客たちの強欲さが露見し、誰も反抗しなくなるところなんて最高!

kossy