劇場公開日 1968年6月22日

斬る(1968)のレビュー・感想・評価

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5.0岡本喜八を堪能するための最高の一本

2021年5月19日
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軽妙と反骨という岡本喜八監督の持ち味が、おそらく最大限に発揮されたのがこの映画ではないか。先輩・黒澤明の『椿三十郎』と、プロットが双子のように似ているのは原作者が同じ山本周五郎で、設定が似通った短編小説を翻案しているからという理由が大きいが、同じ東宝のスタッフ&キャストによって、これほど似ていて、これほど違っている2作品ができてしまったことは非常に面白いし興味深い。

もっとも共通するのは、藩内の汚職に義憤を覚えた若侍たちが決起し、風来坊の浪人が助太刀するという設定。しかし、仲代達矢扮する主人公は、力むことなく、あくまでも飄々と、つかみどころがない風情で立ち回る。このモヤっとしているけれど実は切れ者という仲代達矢のキャラクターは、そのまま「パトレイバー」の後藤隊長のモデルになっているのだが、とにかく粋でカッコいい最高の仲代が見られることを保証する。

そして、小気味よい編集のテンポ、いきいち決まりまくる画のみごとさ、胸のすくような娯楽活劇に仕込まれた権力なんてくそくらえというヤンチャな反骨精神。喜八の最高傑作というと別の作品が挙がることは承知で、この映画が一番喜八らしくて、そして老若男女に勧められて、世界のどこに出しても絶対に面白い傑作だと断言したい。

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村山章

4.0いいテンポ感

Jさん
2021年8月12日
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コメディチックな時代劇

シリアスな話のはずが途中クスッと
笑ってしまう場面やいくつもある

源太の軽妙さがまた良く映画の
テンポ感を作り上げている

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J

4.5名手

2021年5月19日
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U-3153

4.0(椿三十郎+用心棒)÷2×荒野の用心棒

2021年5月9日
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鑑賞方法:VOD

黒澤明の「用心棒」が1961年
それが1964年にセルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」になりマカロニウエスタンが生まれる
そして地球を一周して1968年の本作となる
愉快ではないか

実に楽しい娯楽映画だ!
なんとなく「椿三十郎」と「用心棒」を足して2で割って、「荒野の用心棒」で掛けると本作になるような案配だが、滅法面白いのだから文句はない

女郎屋や、終盤の庶民達のお祭りのドンチャン騒ぎは岡本喜八監督らしさが爆発している

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あき240

4.0マカロニウェスタン

2020年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

5.0私的殿堂時代劇

2015年4月29日
Androidアプリから投稿

楽しい

興奮

仲代達矢と高橋悦史の絡みが最高です。ゆったりと流れながら進む展開に、大胆に軽快に差し込まれるアップとショートカットが何ともいえず、佐藤勝の音楽と相俟って、あらゆる感情を刺激してくれる。コントラストが強い映像もかなりいい。
緊張感あふれる中、飄々とした仲代達矢の演技も最高です。そして緩いキャラである無宿者のヤクザ・兵頭弥源太が時として切れ味鋭くなる瞬間がたまらない。
何度見ても笑えて興奮させられる、最高の時代劇映画です。

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SH