「愛と哀しみのガス人間」ガス人間第一号 syu-32さんの映画レビュー(ネタバレ)

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ガス人間第一号

劇場公開日 1960年12月11日
全3件中、1件目を表示
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愛と哀しみのガス人間 ネタバレ

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「変身人間シリーズ」第3作。

DVDで2回目の鑑賞。

“特撮”だからと言って、本作は決して子供向けではありません。大人の鑑賞に充分耐え得る作品になっているのではないかなと思います。
特撮映画史上類を見ないほどの濃密なメロドラマが展開され、“ガス人間”を表現する演出技術の高さも相まって、哀感漂う出色の完成度を誇っている傑作です。

ガス人間となってしまった水野と、零落した日本舞踊の家元・藤千代が織り成す悲しみに満ちた物語がとってもエモーショナル。本多猪四郎監督のドキュメント・タッチの丁寧な演出が、悲劇的な物語を淡々と描いていきます。淡々としているからこそ、その模様がくっきりと残酷なまでに浮き上がって来るようでした。
絶望の淵にいた自分を救ってくれた藤千代への深い想い…身を焦がしそうなほどの純愛に心が震えました。深い愛情故に犯罪に走ってしまう水野、その想いを拒絶し切れない藤千代…ああ、何て切ないんでしょう!

自らが手に入れた能力に溺れてしまい、次第に追い詰められ滅亡して行く姿に“滅びの美学”を感じました。このシリーズに共通した“異形の者が背負う悲哀”が胸に刺さって来ました。
相手役の藤千代も、ガス人間事件を通して世間から批判される立場となり、言わば“異端者”となってしまいます。世間から疎外された者同士、惹かれ合って当然だったのかもしれません…。
愛は善悪を軽々と超越してしまうんですかねぇ…。しかし、その行方には物悲しい結末しか待っていないような気もします。非常に考えさせられました…。

円谷英二特技監督の創意工夫に満ちた、ガス人間の描写が秀逸の極み。今のようにCGなんて便利なものが存在しない時代に、いかにしてガス人間を創造するか…試行錯誤の末に誕生したのであろう特撮場面に息を呑みました。
肉体だけが気化し、衣服だけを残して余裕綽々と逃走するのですが、服だけがだんだんと崩折れて行き、袖口や裾、襟から蒸気を放出しながら萎んで行く様がとてもリアルで、めちゃくちゃ不気味でした。実際に目の前で見たら、絶対に気絶します(笑) “特撮の神様”の面目躍如足る名場面だなぁ、と思いました。

syu-32
さん / 2019年5月17日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  悲しい 怖い 興奮
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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