劇場公開日 1959年6月23日

「変態エロスがとぼけた味わい」鍵(1959) こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0変態エロスがとぼけた味わい

2023年2月28日
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鑑賞方法:VOD

昭和の昔はこんなエロさというものがあったなあと懐かしく思い出していた。
局部をそのまま出さずに貝になってたりヤカンになってたり。
それに似た表現を汽車で思わず笑ってしまったり。

それにしてもおっとりととぼけた味わいでありながら、百戦錬磨感漂う京マチ子と、変態えろジジイだが妻大好きすぎる鴈治郎の夫婦は、なんとも濃い。
若さ、美しさ等をそれぞれ対極に配置された人物の混線が面白い。

カメラワークも随所に覗き見をしてるような錯覚を覚えるもので、上品で金のありそうな家の実態をこっそり見る、そんな面白みもある。皮1枚剥いでしまえばどいつもこいつも大差ないだろうと言わんばかり。
泥臭く下品にも料理出来る内容を、ケロリと軽妙に味付けした監督の手腕だった。

こまめぞう