鬼平犯科帳のレビュー・感想・評価

　狐火を名乗る盗賊による、凶悪な犯行が起こる。しかし本物の狐火勇五郎の犯行ではなく、その弟文吉によるものだった。火付盗賊改方長谷川平蔵はおまさを利用し、文吉一味は御用となる。一方荒神のお豊と、江戸進出を目論む大阪の白子の親分は手を組み、鬼平を討つための画策をし。
　物語も当然楽しめるものでした。それに加え、梶芽衣子、岩下志麻、多岐川裕美、と女優さんたちの競演も良いです。敵ながら石橋蓮司が、かっこいいのが意外でした。

中村吉右衛門扮する長谷川平蔵は、悪党らから鬼の平蔵と呼ばれ仕事がら恨みを買っていた。実は鬼平犯科帳をじっくり見たのは初めて。中村吉右衛門はどこかオーバーアクションだし、取り立てて特徴がある訳でもなかった。右腕切っちゃうなんて酷いよな。ただ、久しぶりに見た梶芽衣子が良かったね。

時代劇は特に好きな訳でない。
どっちかと言うとじーちゃん、ばーちゃんが観るもの的な感じ。
でもこの鬼平シリーズはちがうぜっ！
中村吉右衛門を筆頭に俳優陣が素晴らしいし、ストーリーも哀しくメリハリがあるし、殺陣もリアルでカッコいい。それに音楽もセンス良い！
特にこの映画版は鬼平の良さが凝縮されている！
鬼平好きには大満足っすわ。

　"土曜プレミアム" で鑑賞。

　原作（狐火／艶婦の毒）は既読、
　ＴＶシリーズは何本か視聴済みです。

　ＴＶシリーズの範疇を越えていませんでしたが、ドラマよりも長谷川平蔵の活躍場面が増えて見応えがありました。

　キャストが劇場版ならではの豪華な布陣であり、藤田まことや岩下志麻など、時代劇の主役級が一堂に会していて圧巻。
　藤田まことは、平蔵との絡みは殆どありませんでしたが印象に残る演技で、画面がキュッと引き締まるようでした。

　松竹らしい丁寧な作風の時代劇だと思いました。「映画ならでは」と言える派手さは無かったものの、奇をてらわない演出が重厚でした。クライマックスの平蔵の活躍も見事でした。

[余談]
　先日、中村吉右衛門版はフィナーレを迎えました。幼い頃から慣れ親しんでいたこともあって、終わってしまったのは寂しい限りですが、唯一無二の魅力を放っていることは紛れも無い事実。何があろうと永遠に不滅だと思いました。

[以降の鑑賞記録]
2022/08/18：FODプレミアム

※修正（2023/06/29）