劇場公開日 1969年8月27日

「こんにちはフーテンの寅さん」男はつらいよ ぽじのふさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんにちはフーテンの寅さん

2020年4月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

拝啓

こんにちは寅さん。
ここに来て寅さんの映画を人生初めて拝見しました。
もちろん子供の頃から存じ上げておりましたが、子供ながらに古臭い映画は毛嫌いしており○○洋画劇場等で放映されても敬遠、今日に至るまで腰を据えて観たことはなかったと思います。

しかし、なんと素晴らしい映画だったではないでしょうか。

古臭いどころか見るもの全てが新鮮で、そこらの8Kテレビのサンプル動画なんかより、どれも煌びやかなシーンばかり。
昭和の生き生きとした世界がその90分間に満ち満ちていて、あっという間に引き込まれた自分がいて、映像の細部まで食い入るように観てしまいました。いやぁいい時代だなぁ。
ただそれだけではなく人物から建物、風景、空気感までここまで観ていて心安らぐ映画を観たのも久しぶりのような気がします。(実際にこの時代を生きていなかったとはいえ、やはり私は日本人なのだとしみじみ実感。)

無鉄砲で口も悪く、器用なようで不器用な寅さんの人情がとても親しみやすく、生前の渥美清さんの記憶といえば、お体を悪くしているときに舞台挨拶に出られているニュース映像を拝見したのは覚えておりますが、作中の寅さんと言えば、それはそれは縦横無尽に全力投球している演技を観て感動しました。今観ても本当に笑えます笑
いよいよ私も全力で寅さんを観られるような歳となって参りました…笑
古き良き…と言いたいところではありますが、そんなことは全くないこの素敵な映画。遅ればせながら、これから細々と寅さんの旅の続きでも観させていただきたいと存じます。

敬具

ぽじのふ