劇場公開日 1961年9月16日

「その辺のホラー映画なんか相手にならない程の恐ろしさ」永遠の人 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5その辺のホラー映画なんか相手にならない程の恐ろしさ

2015年4月10日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

雄大な阿蘇の山並みを背景にして、30年に及ぶ男女の愛憎劇。

観ていて、人間とはこれ程まで《鬼》になれるモノなのか?と思う位に、体中に震えが来る。
その辺のホラー映画なんか全く相手にならない位の恐ろしさだ!

映画は1章から5章まで時代事に展開される。
とにかく主演の高峰秀子と仲代達矢の間で、延々と繰り返される罵り会いの凄まじさ。

♪それはですね。それはですね。♪

果てしもなく凄まじいです。

一見するとなだらかな稜線をしており、見る人の心を和やかにさせてくれる阿蘇の山並みだが、火口では絶えず噴煙が吹き上げている。
そんな30年に及ぶ夫婦間の罵り会いは、お互いに身内からも怨まれ続け、地域の住民達からも陰口を叩かれる。
果たしてその結末は…。

♪それはですね。それはですね。♪

各章の度に報われ無い自分の運命を呪い、時にはうずくまり。また時には走り回る高峰秀子。
それに被さるは大胆不敵なフラメンコの響き。
木下恵介監督の人間観察の凄さが光ります。

最後の纏め方もお見事!

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松井の天井直撃ホームラン