劇場公開日 1953年3月26日

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「人間の愚かしさと戦争の不毛さ」雨月物語 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人間の愚かしさと戦争の不毛さ

2019年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

日本の古典で怪異話で有名な雨月物語の中の

代表的な短編をいくつか一つの話にして脚色した物語。

京マチ子映画祭で観て来ました。

京マチ子さんが、時には少女の様に恥じらい
時には般若のように怒りに狂って男を追い詰める。
変幻自在の豹変ぶりに目を奪われます。

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

京マチ子さんの演技も見ものでしたが
絡みは一切ないものの、
対照的な名も無い庶民の妻を演じた
田中絹代さんも、
貧しいながらも、本物の幸せを追い求める誠実な役柄で

京マチ子さんの役と遂になる見事な存在感でした。

お話自体は溝口健二監督らしく
人間の愚かしさと戦争の不毛さを描いていますが

それだけでなく、昨年観た「近松物語」と同じ様に

白黒ながらもその陰影の美しさ〜
着物の柄の見事さで身分が伝わるほど違いが判る見事さ〜

@もう一度観るなら?
「こういう映画は映画館で集中して観ないと〜〜」

星のナターシャ