「折り目正しい殺し屋」ある殺し屋 みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)
折り目正しい殺し屋
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上映時間たった82分の和製フィルム・ノワールの香り漂う異色作。
ある殺し屋の仕事ぶりを綿密に描くたったそれだけのお話を、時間軸を意図的に前後させることによって複雑な物語構成にしている。
タランティーノ監督がよく使う手法であるが、当時としては目新しかったかも。
本作で市川雷蔵が演じるプロの殺し屋・塩沢は、何事にも用心深く、用意周到な性格なのだが、殺しのテクニックが池波正太郎の創造した藤枝梅安と全く同じだったのでガッカリした。
しかも、すぐに殺しだとバレてしまう。
もっと一流のプロらしく自然死に見せ掛けて殺す方法とかはなかったのか。
しかも殺しの流儀ばかりをネチっこく宣うもんだから、塩沢の元に弟子入りして来るヤクザの幹部(成田三樹夫)ならずともこっちがウンザリしてしまう。
フーテン娘の圭子(野川由美子)だって塩沢を裏切ってばかりなのに、そのたびに許してしまうのも不可解でした。
その心境は、峰不二子を許しちゃうルパン三世と同じなんだろうか。
ま、コケテッシュな魅力全開の野川由美子なら俺だって喜んで許しちゃうかな。
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