劇場公開日 2020年4月3日

「サイコーに気持ち悪い(褒め言葉)」AKIRA Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5サイコーに気持ち悪い(褒め言葉)

2021年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

DolbyCinemaの再上映にて。
公開から32年たった今でも斬新で度肝を抜かれる。
2回目の鑑賞だけど、最初画質の荒い2Kテレビで観たときと印象が全く違う!やっぱり映画は映画館で観てこそ「映画」だなと再確認。
DolbyCinemaは音響が頭おかしかった。
なんか隣のオヤジ喋ってんな、と思ったらガヤだったし、高音、低音の表現幅が広すぎてビビる。
上映終了後、とある2人組が「いやー音キモイよ!耳栓欲しかった」と話してたくらい。人生に残る映画体験でした。

それで作品は、というと。
もうね、独創性が洪水してますよ。
まず世界観から狂ってるし(いい意味で)、展開がもう訳分からんし(もちろんいい意味で)、どうやったらこんなバケモンみたいな映画を創れるのだろうか。
大友克洋すごいよ!頭の中どうなってるんだろう?
正直、2Kテレビで観たときはこの独創性とヒャッハーテンポについていけず「なんかすごいけど、気持ち悪いアニメだったな」ぐらいしか印象残らなかったけど、2回目は「なんだ!このクソ素晴らしく気持ち悪い映画は!」と強く印象に残った。

うねうねぐちゃぐちゃした作画だけで「AKIRA」という味が出るし、芸能山城組の音楽が凄すぎる!「ラッセーラー」とか「ヒーハー」、「カランカラン」など人の生声を音楽に起用する発想が既に頭おかしいし、それに和太鼓の低音と高音を併せ持った音や民族的なリズムなどを組み込んでくるから唯一無二の音楽となってる。
それが狂い乱れたAKIRAという世界観にピッタリマッチしておりまさに完全無欠の存在!
これは世界に自信を持って誇れる作品だ。

日本映画は現代こそ重苦しい人間ドラマが世界向け作品のジャンルだけど、実は日本独特な風俗の乱れやぐちゃぐちゃとした独創性溢れる作品など、日本人ならではの暑苦しさをメインに描いた映画の方が世界に誇れるジャンルのなのかもしれない。
本作も黒澤明や北野武、宮崎駿、「三大ジャパニメーション」と勝手に括っている『パプリカ』と『ゴーストインザシェル』もそうだし。
もっとこういった映画が増えることを願う。

余談
「かぁーねぇーだァーー!」
「さんをつけろよデコ助野郎!」
ってやり取りが大好きすぎる。

Pegasus