劇場公開日 1985年1月26日

「トップアイドルの大霊界 純愛映画と思ったらおどろいた!!」愛・旅立ち 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5トップアイドルの大霊界 純愛映画と思ったらおどろいた!!

2019年11月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

寝られる

萌える

当時のトップアイドル、近藤真彦と中森明菜共演の1985年の作品。
不治の病に侵された美少女と、彼女を愛す青年の純愛ストーリー。
…と、一見平凡なアイドル映画のようだが、これ、なかなかお目にかかれないくらいのトンデモな珍作!

いきなり開幕、大宇宙と神への存在の問いで始まる。
え? これ、ラブストーリーじゃないの?
何かの宗教映画なの?

死の恐怖に怯える薄幸のヒロイン。
事故で親友を失い、生きる気力を失った青年。
一応ベタな展開で進んでいくも、その都度その都度、死や生を押し付けがましく訴える。
SFXを駆使して、人魂?みたいなのが画面をビュンビュン飛ぶ。
さらにはヒロインの前に現れたのは、子供の姿で口も動かさずに大人の声で喋る耳なし芳一!
チープなSFXで半透明の芳一がヒロインと共に街を散歩したり、動物にびっくりしてドタバタしたり、果たして私は一体何を見ているんでしょう…?

やっと二人が出会う。
美形なだけあって、綺麗な画にはなる。
アイドル映画らしく、砂浜で二人のデュエットも。
が、相手の名前を叫び連呼すれば感動の純愛というお粗末な演技…。
次第にヒロインの病状が悪化していき、そして遂に命が尽きる…。
お決まりのように泣き叫んでの一生懸命の悲しみの演技。
ジャンル分け不明から、ド定番の難病ラブストーリーに。
…と思ったら、とんでもない事が起きた!

突然の首都圏を襲った大地震。
ヒロインを蘇生させようと、マウスツーマウスを行う青年。
そしたらお察しの通り、呆然唖然仰天しないで下され皆々様、生き返ったんですよ!
担当医のくせに地震やマウスツーマウスが良かったとかありえねーご託並べるが、奇跡の原因は分かっている。
愛ですよ、愛!
愛の力は時空も人の生死も何もかも乗り越える!
愛、万歳!

結ばれ、夢のような幸せの日々も束の間。
再びヒロインの命を尽きようとしている。
きっと、この日々は、神様が二人の為にくれたに違いない。
感動の純愛、そして壮大なフィナーレへ…!

…と、まあ、凄い。
どのターゲット層に、何時の方向向いて作られたのか分からない。
主演二人の純愛ストーリー目的で観に行った若者たちは、常人の理解を超えたトンデモ展開に詐欺や激怒を超えて衝撃と度肝を抜かれただろう。

よくこんなのが映画として企画が通ったもんだ。
これもアイドル・パワーか、それほど当時の日本映画界は企画に飢えていたのか。
何にしても、日本映画界の珍秘宝!

近大
asicaさんのコメント
2019年11月24日

レビューに爆笑しました。

asica