劇場公開日 2007年12月15日

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「ムリ~ヤ~♪そりゃ、ムリ~ヤ~♪」カンナさん大成功です! kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ムリ~ヤ~♪そりゃ、ムリ~ヤ~♪

2019年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 衝撃のBefore&After。Beforeのカンナさんは誰が演じているんだろうと調べてみたら、なんとキム・アジュン本人じゃございませんか。顔だけじゃなく、体重も半分にして、胸にはシリコン、とにかく“全身整形”です。これは本年度のジョン・トラボルタの特殊メイクを完全に上回ってます!

 男にとって女は三種類・・・綺麗な女はブランド品、普通の女は既製品、あなたは返品よ!といきなりどぎつい言葉で攻めてくる友人ジョンミン(キム・ヒョンスク)でしたが、そんなカンナさん(キム・アジュン)にも取り柄があった・・・(テレクラテクニックも持ってましたが)それは歌!人気歌手アミのゴーストシンガーとしてなくてはならない存在だったのだ。

 整形美女になることは本当に幸せなのかと考えるよりも、『ヘアスプレー』よりも先にこっちの映画を見たかったと思う。化粧する感覚のプチ整形とは極端に違い、明らかに人格までもを変えてしまいそうな全身整形。手術後は人の視線が痛いほど突き刺さり、改めて美人になったのだと実感すると同時に、過去の自分とどう決別すべきかを悩む姿。一途な恋心も別人としてのアプローチをすることによってちぐはぐな行動をとってしまう微妙な心理まで見事に描かれてました。とにかく主演のアジュンの演技力と歌唱力には注目なのです。

 「したいことはできるのは神だけ。できることをするのが人間だ」という父親の口癖のおかげで、新しい自分ジェニーがカンナなのだとバレそうになるし、犬のサランもなついてくる。友人ジョンミンにだけは打ち明けてあったのですが、友人の立場とすれば本当のカンナを取り戻してもらいたいと願うばかり。それでも極端に性格悪くなってるわけじゃないし、ストーカーにだって優しいし・・・

 コメディとしては『猟奇』を抜いて韓国映画史上NO1。これは納得。笑いと恋愛のパート、そしてコンサートで盛り上げる部分、とバランスがいいのです。脇を固める俳優もイ・ボムスやイ・ハヌィ(金森似のおっさん、今年よく見るな~)が笑えるし、人気歌手から介護士になってしまったアミ役のソユンも面白かったりする・・・。鈴木由美子の原作も読んでみたくなりますなぁ。

 ラストのコンサートシーン。涙ながらに「やめます」と宣言し、友人ジョンミンが代わりに歌う。そして観客の“ケンチャナ”コールが良かった。涙・・・

kossy