劇場公開日 2007年11月3日

「一気にバイオハザード熱が冷めた・・・」バイオハザードIII kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0一気にバイオハザード熱が冷めた・・・

2018年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 テレビで『バイオハザードII』を見てたら、無性に観たくなってきたので慌てて出かけました。深夜上映の時間に間に合うかどうか・・・と、こんな時に限って、前を走る車が遅いんです。なんだよ、とろい車だな・・・もしやミゼットか?・・・あ、ミラか・・・てな感じで。

 なんだか『マッドマックス』を見てから『マッドマックス2』を観たような気分にさせられました。世界観がまるで違う!アリス・プログラムとは何だ?目力で警備員を血まみれにした能力は何だ?と前作のラストによって興味津々だったのですが、その答えは得られたものの、とんでもない方向に進んでいたのです。アンデッド化されずに生き残った人々は旅をしなくてはならなく、車の燃料がとても重要。一応、説明があるので世界観にも納得。

 残念ながら前作で活躍したジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)が出ていませんが、その代わり、ゲームの2に出てくるクレア・レッドフィールド(アリ・ラーター)が新たに登場。カルロスやLJも健在でした。大幅に進化を遂げたのはアリス(ミラ・ジョヴォビッチ)。彼女の瞳が遠隔操作によりアンブレラ社のマークに変わり、とてつもない超能力を発揮してしまうのだ!物体を浮かせたり、炎を捲き起こしたり、真空波を放ったり・・・ただでさえ超人的アクションをこなすのに、これではやり過ぎです。

 ヒッチコックの『鳥』のようにカラスに襲われるシーンや、随所に効果音で驚かされるシーンがあったり、ホラー・アクションとして楽しめるには楽しめる。しかし、前2作のように巨大企業に風刺を込める社会派要素が感じられないのが最大の難点。1作目では生物化学兵器への批判や巨大コンピュータの矛盾、2作目では『アウトブレイク』のように感染者隔離と核による消滅工作、それにメディアによる情報操作への風刺があった。ところが今3作目では、巨大企業アンブレラ(ほとんど政府と同義)が、人類が滅ぼうとしているのに、まだ世界征服しようとしているのです。もう民衆から搾取するものなんてありませんよ・・・

 なんだか褒める要素がそれといって無いところが痛いのですが、1作目の回想シーンと思わせるギミックや、カラスの大群と、緊迫感溢れるアクションシーンが普通に良かった。缶詰の中味を当てる特技を持つ男もすごいぞ・・・

kossy