ボーン・アルティメイタム 特集: アクション映画が変わった。「ボーン」が変えた(2)

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ボーン・アルティメイタム

劇場公開日 2007年11月10日
2007年11月6日更新

アクション映画が変わった。「ボーン」が変えた

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■「アルティメイタム」はここが違う!

そして「ボーン・スプレマシー」でこの演出術を生み出したグリーングラス監督が、その延長戦上に描いたのが新作「ボーン・アルティメイタム」。この演出術の07年版はどこがアップデートされているのか?

素早いカット割りでスピード感を演出 素早いカット割りでスピード感を演出

その顕著なひとつの特徴は、他の追随を許さないシャープな編集技術。

通常1000カットがせいぜいのアクション映画で、「ボーン・アルティメイタム」は4000カットを超えているそうで、まさに瞬きしている暇はない! これまでスローモーションや早回しでアクションのスピードを演出するという手法はあったが(例えばジョン・ウーあたりが顕著)、グリーングラスのアクションシーンの撮り方としては、あくまで普通のスピードで撮影したものを、細かなカット割りによって素早く見せているのだ。

■「ボーン」シリーズが与えた影響の大きさ

では、具体的に「ボーン」シリーズが与えた影響はどんなものがあるのか?

ボーンが与えた影響はあまりに大きい ボーンが与えた影響はあまりに大きい

主に社会派映画のアクション演出はみなこの系列だと言っていいが、翌05年全米公開作は、実話系の「シリアナ」「ミュンヘン」はもちろん、「ザ・インタープリター」「フライトプラン」などのアクション、サスペンス系もドキュメンタリー・テイストを意識。ドキュメンタリーとは対極にあるはずのアメコミ映画「バットマン・ビギンズ」までもがリアリズムを標榜したのはご愛嬌だが。

そして06年全米公開作でこの影響はより強まり、「ディパーテッド」「インサイド・マン」「ブラッド・ダイヤモンド」などもこの系列に近い。そしてなんと、スパイアクション映画の“本家”シリーズの新作「007/カジノ・ロワイヤル」のアクションも、荒唐無稽からリアリズム重視の「ボーン」系の演出に。さらに次回作の「ボンド22」(マーク・フォースター監督)では、「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」のアクションデザイナー、ダン・ブラッドリーを起用。ブラッドリーは、「ボンド22」のファイトシーンやカーチェイスのスタントコーディネートおよび第2班監督を務めるという。

しかし、07年全米公開作でも「キングダム/見えざる敵」がマイケル・マンテイストを交えつつ、ドキュメンタリー的なアクション演出に成功。この傾向は続いているが、すでにこの流れへの反動も出現。「ダイ・ハード4.0」の従来の“そんなわきゃねえだろ系”アクションが逆に新鮮に見えてしまうほどだ。

今後のハリウッド・アクションはどこへ向かうのか? ハリウッドに確実な影響を与えた「ボーン」シリーズの到達点としての「ボーン・アルティメイタム」。――その観点から見ると映画がもっと面白くなる。

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