劇場公開日 2007年4月14日

「【貧しく、荒れた生活の中”ある出来事”に遭遇した少年が、人間の品位を取り戻し、自らの罪を償う姿を描いた作品。哀しくも重いテーマを扱っているが、少年の仄かな希望ある未来を想起させる作品でもある。】」ツォツィ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【貧しく、荒れた生活の中”ある出来事”に遭遇した少年が、人間の品位を取り戻し、自らの罪を償う姿を描いた作品。哀しくも重いテーマを扱っているが、少年の仄かな希望ある未来を想起させる作品でもある。】

2022年12月25日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

幸せ

■南アフリカ・ヨハネスブルグのスラム街。
 ツォツィと呼ばれる少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。
 しかし、”ある出会い”によって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。

◆感想<Caution!  内容に触れています。印象的なシーン。>

・”ある出会い”
 それは、ツォツィが金持ちの夫婦の妻を撃ち社内に居た幼子であり、幼子に対し、母乳を与えた母親である。
ー 銃を付きつけられながらも、母乳を与える女性の尊さ。-

・それらをきっかけに、ツォツィは徐々に人間の品位を取り戻していく。

・母乳を与えた母親と、自分の幼き時の母親の姿がラップするシーン。そして、愚かしき父親の姿も・・。
ー 彼は幼子の名を問われた時に、自らの本名である”デヴィッドだ。”と答える。-

・ツォツィが駅で罵られた足の不自由な男への接し方の変化も、心に沁みる。

・ツォツィ達が金持ちの夫婦の家に再び忍び込むシーン。夫のジョンを撃ち殺そうとした仲間をツォツィが射殺するシーン。

<そして、ツォツィは、危険を顧みず、金持ちの夫婦の家を再訪し、呼び出しベルを鳴らし、幼子を夫婦に返そうとするシーン。
 警察官に取り囲まれる中、彼はジョンに幼子を渡す。
 今作は、哀しき物語ではあるが、スラムで荒れた生活をしていたツォツィが人間の品位を取り戻していく様を、リアルに描き出した作品である。>

NOBU