ブラックブック
劇場公開日 2007年3月24日
解説
「氷の微笑」の鬼才ポール・バーホーベン監督が、23年ぶりに故郷のオランダでメガホンを取ったサスペンス・ドラマ。1944年、ナチス・ドイツ占領下のオランダ。ユダヤ人の女性歌手ラヘルは、オランダ南部への逃亡中に、何者かの裏切りによって家族をドイツ兵に殺されてしまう。復讐を胸に誓った彼女は、名前をエリスと変えてレジスタンスに身を投じる。彼女はスパイとしてドイツ将校ムンツェに近づき、彼の愛人になるが……。
2006年製作/144分/PG12/オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作
原題:Zwartboek
配給:ハピネット
スタッフ・キャスト
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2022年4月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
狂気の時代の、ハラハラなストーリーだった。
しっかり見てないと混乱もするけど、ドキドキ入り込んで見られてよかったと思う。
第一の裏切り者は最初から怪しさフンプンだったが、真の裏切り者がまだいた!!という展開にそう来たかと。
テレビドラマ的雰囲気ながらヌード明け透け、し尿の盛大なぶちまけなどやれることは全部やったという潔さが感じられ、描かれている悲惨な事象とはまた別の奇妙な爽快感が吹き抜けた。
監督と制作陣の胆力の良さを評価したい。もちろん演技者達にも笑
上を書いた後に調べたら監督がポールバーホーベンだったのね。納得
2022年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ストーリーの山、谷が何度もくるので目が離せない。
作中、優しくしてくれて信頼した人間に何度も裏切られる。序盤にスマールに人を信用しすぎるなというセリフが後半になるにつれ重く感じる。
ムンツェには生きててほしかったなぁ…。
最後にカイパースとエリスがハンスを棺に閉じ込め、窒息死するまで待ってる間に「本当は出してあげた方がいいのよね」「ああ」っていう会話から、2人はこの時ちゃんと冷静で、人として正しい行動が何なのか分かっていながら躊躇なくハンスが息絶えるまで待つあたり人間正しい事が分かっていても間違った方をあえて選択することもある。正しいことをしたくない、できない時もあるというのがリアルで感慨深かった。
取り返したユダヤ人のお金もユダヤ人のための施設に使われてて良かった。
山がありすぎて忙しいけど、伏線もちゃんと張って回収もできてるし結構良くできてる映画だと思う。
ネットを覗くと、イスラエル・パレスチナ問題では圧倒的にパレスチナに同情的な人が多い。無理もない。自分たちの土地に勝手に入植して支配地を広げ、壁を作り、パレスチナ人を排斥している報道を知るにつけ「それはないよ」と思わせる面のあることを。しかし、紀元前にパレスチナ・ペリシテ民族が滅亡し、その後のイスラエル王国も滅亡、彼の地は列強の侵攻で支配者の変遷の激しい地域であったことは認識しておかなければならないだろう。そして、先の大戦に乗じてナチスドイツによるホロコーストで600万人以上のユダヤ人虐殺があった。同じ人間とは言えない悲惨な仕打ちを受けたユダヤ人が安住の地を求めたことは否定できない。
戦争という人間の殺し合いを知ったのが、ノモンハン戦争でありホロコーストであったため、幾多の書物や映画を見てきたが、必ずしもイスラエルが悪とは言えず、むしろかわいそうな民族という認識は変わらない。
この映画はユダヤ狩りの進むオランダでの、裏切りと罠の中で、命を燃やす抵抗運動を描いた力作だ。
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