劇場公開日 2006年12月1日

「重厚なアクション・ドラマとしての007の幕開け。」007 カジノ・ロワイヤル image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0重厚なアクション・ドラマとしての007の幕開け。

2020年6月9日
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007といえば、大人のためのライトなアクション娯楽作としての位置づけであった。だから、そんなに映画としての高度な完成度を問われることもなかったし、それで良かったわけである。それなりにみんな楽しんできたのだろうと思うが、個人的にはそんなに好きではなかったというのが本音であった。
ところがである。何やらこれまでと異なる評判が聞こえてきたのがきっかけで、本作で初めて劇場で007を鑑賞することになったわけだが…これまでとは一線を画すエモーショナルな作りに心臓を鷲掴みにされてしまったのである。もはや単なる娯楽作というにあらず、ボンドの葛藤や心の痛みを描く重厚なアクション・ドラマに変貌していた。本作以降のダニエル・クレイグ主演作も同様で、彼の演技力も相まって、作品のクオリティが全くの別次元に踏み込んでいると思う。必見と言って間違いない。

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