劇場公開日 2017年4月1日

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「『七人の侍』、『生きる』、『赤ひげ』の次に好きな黒澤映画を挙げるとしたらこれかも。」乱 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『七人の侍』、『生きる』、『赤ひげ』の次に好きな黒澤映画を挙げるとしたらこれかも。

2021年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 スクリーンでは観たこともないのに、テレビ画面だけでも迫力に圧倒される。26億円をかけたと言われる超大作でフランスも出資している。『影武者』のときには感じられなかったダイナミクスはストーリーよりも個々のキャラがわかりやすくて面白いところ。史実に基づかないストーリーの良さなのかもしれない。

 まずは一文字太郎孝虎(寺尾)と次郎正虎(根津)の性格の差といきなりの敵対関係。性格の差も面白いが、太郎の正室であった楓の方(原田美枝子)の存在がいい。身内の復讐も絡んで、ドロドロ劇を操作する立場。やがて次郎が彼女の才智に惚れてしまう。もう一人、ピーターが演ずる狂阿弥も狂った大殿(仲代)の心を対称的に描いていたことが面白い。演技は下手なんだけども台詞ひとつひとつに哲学が感じられるような・・・狂った世で狂うならまとも・・・とか。

 城の燃え方は尻すぼみだけど、CGのない時代でこれだけ描かれば納得。合戦でも落馬がかなり多く、『影武者』にはなかった迫力が蘇ってきた。そして、黄、赤、青と父親の白。視覚的にもわかりやすく、生き残った次郎の赤に落ち着くところも皮肉なのか・・・狂ったような内輪もめの虚しさが伝わってくる。

 4K修復版観たかったなぁ~

kossy