劇場公開日 1997年7月12日

「自然と生きる 人間と生きる」もののけ姫 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自然と生きる 人間と生きる

2018年2月12日
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鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、映画館

泣ける

興奮

知的

今日で入院生活丸1週間。
つまり、何も見れてない…。ちょうどレンタルでも『我は神なり』『ドリーム』『ガンダム・ORIGIN』、劇場でもいささか評判イマイチのようだが『マンハント』など、見たいのが出始めた時だったので、ショックは尚更…。一体いつ見れる事やら…(>_<)
また、私事だが、レビュー累計2000本到達間近にして、レビューがいつ再開出来るのか分からずストップしたままなのも悔しい!
…って事で、暫く過去に見た作品の思い出しレビューを。
自分がレビューを書く際のポリシーとして、絶対見てすぐ書く。その時思った事、感じた事を、後々読み直して駄文に感じても、大事にしてるからだ。
なので、過去作品で何度も何度も見て、見なくてもレビュー書けるくらいメッチャ好き!…っていうのも、実はほとんど書いた事無い。(書いた事あるとすれば、ゴジラシリーズかな…??)
自分の記憶力のみが頼りなので、作品によって、長文になったり、概要だけになったり、簡易レビューになったりするかもしれませんが、ご容赦を(>_<)
さて、プレイバック! まずは…

思い出しレビュー1本目。
『もののけ姫』

言わずと知れた宮崎駿を興行100億円超えの国民的スーパーヒットメーカーへと押し上げた1997年の作品。
明らかにこの作品以前と以降で世間の宮崎に対する視線も変わり、線引きされる印象になった、色んな意味で記念碑的作品。
本作や本作以降の宮崎映画はクソだとまで言われてるようだが、自分はこの作品が大好きだ!
構想・製作にたっぷり時間をかけただけあって、ダイナミックなアクション、高らかなヒューマニズム、深遠なテーマなどなど、宮崎の魂がひしひしと感じ伝わってくる。
なかなかハードでシリアスなのに当時の興行記録を塗り替えたんだから、驚き! 客に媚びなくても、監督が訴えたいもの、作りたいものを心血込めれば、客にも絶対伝わる代表例だ。

OPのタタリ神襲撃シーンから引き込まれる!
旅立つアシタカ。久石譲の雄大な音楽が素晴らしい。
屋久島がモデルである神秘的なシシ神の森。
そして、女たちが力強いタタラ場。

真っ直ぐで真面目な主人公、アシタカは、作品の世界にぴったり合っている。
サンの凛とした美しさ。
人間側のキャラ描写も深い。
何と言っても、エボシ。タタラ場を仕切る女ボス。物語の展開上敵役のイメージで、自然を殺す人間の象徴そのものだが、一方で疫病にかかった者を自らの手で手厚く看護する。
人の一筋縄ではいかない善悪を体現。
中盤、サンとの一騎討ちのシーンも何と様になっている事か!
勿論、田中裕子の声の演技が素晴らしい。
卑しい人間キャラは、ジコ坊だろう。シシ神の首を狙う張本人。他人を利用したり、騙したり、クライマックスのあんな場面でもシシ神の首を諦めないもはや執念! キャラ的にコミカルなので、何故か憎めない…。我々人のあさましさを最も表しているからか…?

自然を守る獣神たちの偉容。
モロ! 美輪明宏のあの声のあの台詞こそ本作一番の興奮!「黙れ、小僧!」
エボシの首を狙っており、首だけになっても動く最期は凄まじい!
サンを愛しており、彼女への眼差し、語りかけは優しい。
本当に本作は、“女性”や“母”が強く描かれている。
それに対するような、荒々しい乙事主たち。
そして、シシ神…。

クライマックスはシシ神が落とされた首を求め暴走するが、一定の着地となる。
自分のリア友に言わせると、ここが嫌いなんだそうな。
何も解決してないじゃん。一方が一方を殺して、それで終わりでいいじゃん。
いや、それは幾ら何でも…。
テーマは、自然と人間の共存。永遠の課題。
それに簡単な決着などあるものか。
あの終わり方もいいと思うし、自然と人間は何度もぶつかり合いながら、歩み寄り、今も共存の道を探し続けている。

近大
かいりさんのコメント
2020年7月4日

黙れ、小僧!を、本日大画面で初めて見て、聞きました。しびれた〜

かいり
たなかなかなかさんのコメント
2020年6月28日

近大様
コメントありがとうございます😊
リバイバル上映ご覧になられたんですね!
20年以上の時が経っても全く色褪せていないって、改めて考えるととんでもないっす❗️

たなかなかなか