劇場公開日 1978年10月21日

「単なる脱獄ものに非ず」ミッドナイト・エクスプレス チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5単なる脱獄ものに非ず

2016年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

アラン・パーカー監督は『ミシシッピ・バーニング』にいたく感心してしまいまして、それなら代表作をということで、こちらを鑑賞してみました。
脱獄ものっていうと、ジョン・スタージェス監督の『大脱走』とか、ジャック・ベッケル監督の『穴』とか、ドン・シーゲル監督の『アルカトラズからの脱出』なんてのを思い起こしますが、印象としては、この作品、そのどれとも違う感じでしたね。なんというか、これらの作品の活劇的な感じではないというかね。
っていうか、本作の主題を「脱獄もの」とすること自体、違うのかなぁなんて感じましたですね。むしろ「不条理もの」。人間が不条理に巻き込まれた時の有り様を描きつくしたのが本作という感じがしましたですね。
いやぁ、ジョン・ハートが途中見せるその横顔の、なんという神々しさか、と。不条理を前にした人間の顛末を神々しいなんてのもおかしなわけですけど、でもまぁ、それがなんとも恐ろしいわけなんですよ、ほんと。

チャーリー