劇場公開日 1993年3月21日

「煩悶し続ける今までに無い指導者」マルコムX keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0煩悶し続ける今までに無い指導者

2012年4月8日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

スコセッシが自身のルーツを辿るイタリア系アメリカ人の映画を作るように、スパイク・リーも自身のルーツを自身の考え方で映画に表現する。
そして、例えその表現が問題になろうとも、真っ正面から受けてたつ確固たる彼の信念がこの作品にも見られる。

"指導者"という偉人は多く映画として取りあげられるがマルコムXのような人物は初めて見る。
黒人人権運動の"指導者"として名高い彼だが、その描かれる人生は迷える人間そのものである。
指導者の立場に在りながらも煩悶し続ける彼の生きざまは黒人不利の時代に生きた1人の黒人以下でも以上でも無く描かれる。
しかし、スパイク・リーは彼の心を貫く絶対不偏の信念を見逃さない。
マルコムXの伝記映画でありながらもその裏には現代のブラックカルチャーを牽引するスパイク・リーの不偏の魂の訴えが見える。

keita