「【14歳で国策によりオランダからフランスに来た少女マリー・アントワネットの波瀾万丈の人生を80年代ロックで彩る。ソフィア・コッポラ監督の衣装、意匠、音楽センスに魅入られる作品である。】」マリー・アントワネット NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【14歳で国策によりオランダからフランスに来た少女マリー・アントワネットの波瀾万丈の人生を80年代ロックで彩る。ソフィア・コッポラ監督の衣装、意匠、音楽センスに魅入られる作品である。】
ー 今作は、資料によるとカンヌ国際映画祭で上映された際に、ブーイングが起こったと言う。
だが、私は18世紀のマリー・アントワネットの巷間に流布するイメージを払拭する、ソフィア・コッポラ監督の美術・音楽のセンスに魅入られた。
今作は、マリー・アントワネットのロックな生き方に敬意を表した作品なのである。-
◆感想
・今作後の「The Beguiled/ビガイルド 欲望の目覚め」でも思ったのであるが、ソフィア・コッポラ監督の近代の物語を描く際の当時の衣装、意匠への拘りは凄いと思う。
そして、その拘りが作品の品性を高めている。
今作も然りである。
・今作が面白かったのは、フランス革命に至る過程で、14歳の少女マリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)が大人になっていく印象的なシーンで流れる80年代ロックの使い方の巧さである。
例えば、仮面舞踏会で、フェルセン伯爵と出会うシーンで華やかに流れるのは、”スージー&バンシーズ”の”香港ガーデン”である。ゴシックロックで世に名を馳せたスージー・スーが率いたバンドの初期のポップソングである。
更に言えば、夫がルイ15世の崩御によりルイ16世に即位するシーンで流れる、”ニュー・オーダー”の”セレモニー”である。
この音楽センスは、カンヌの大御所には、分かるまい。
・巷間に流布しているマリー・アントワネットは世間知らずの高慢ちきな女性であったというのが、もっぱらの見方だが、今作でのキルスティン・ダンストが演じるマリー・アントワネットは、多くの貴族がさっさとベルサイユ宮殿から逃げ出す姿を見ながらも、夫と共に宮殿に残るのである。
命が危ういと分かりながら・・。
<ソフィア・コッポラ監督は、今作を制作するに当たり、それまでのマリー・アントワネット像をぶち壊したかったのではあるまいか。
そして、齢14歳にしてオーストリアから国策によりフランスに嫁いできた女性に対する敬意を表明したかったのではないか、と思った作品なのである。
エンドロールで流れる、”ザ・キュアー”の”All Cats Are Grey"には、当時のヨーロッパ王宮制度への物凄い皮肉が込められているのである。>
NOBUさん
Merry christmas (^^)
ご家族様でゆっくりお過ごしですね。
先程は メッセージ・イン・ア・ボトルに
共感コメントをありがとうございました。
こちらの作品も観ましたが
レビューしていなくて(^^ゞ
キルスティンちゃん
マリー役を可愛く逞しく演じていましたね。
豪華な調度品もgoodでした。
ソフィア・コッポラ監督さんだったこと
改めて知りました。