劇場公開日 2005年3月25日

「神の手に操られた人形劇だったのかも知れない」ふたりのベロニカ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5神の手に操られた人形劇だったのかも知れない

2019年3月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

不思議な魅力を秘めた作品
主演のイレーヌ・ジャコブの魅力は無論のこと
美しい映像、空気感、音楽
それらが一体となった雰囲気があっという間に観るものを虜にしてしまう力を持っている

理屈ではない何か
別の場所で別の人生を歩むもう一人の自分
この場所で流されるままのこの自分
満たされない心
それはもう一人の人生を感じているからのか
ならばその片方を失った時にその空虚をどのように埋めたら良いのか
選ばれないのはなぜ?
彼が自分を選んだのはなぜ
理屈はない
感じるまま情熱が心を駆動させるのだ

サンラザール駅のカフェを突き止める情熱
そこで48時間を待つ情熱
選ばれた喜びと求められる不安で衝動的に逃げだす
しかし結局は追い付かれ見つけられるように期待をしてホテルの部屋をとる

熱い青春を甦らせる素晴らしいクライマックスであった
何故かはわからない求め求められる情熱が切り取られている

それは神の手に操られた人形劇だったのかも知れない

恋を忘れかけた時にこそ観るべき映画だ
恋の衝動と情熱の熱さを思い出させてくれるだろう

あき240