「大島渚初期作品の中では一番評価が高かったが…」白昼の通り魔 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0大島渚初期作品の中では一番評価が高かったが…

2022年11月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大島渚初期作品のひとつとして鑑賞したが、
何とも共感の湧かない作品だった。

二人の女性の
それぞれ理由こそは異なるものの、
相手の男性への想いの動機も曖昧だし、
通り魔になる男性の女性二人に対する感情も
理解不能だ。
だから、通り魔になった男性を媒体にして、
大島渚が因習社会の告発以外の
何に怒りを向けていたのか、
“愛は無償”としない側が勝利するということへの皮肉なのか、
良く分からない作品だった。

ここのところ、
大島渚の初期5作品をまとめて観てみた。
キネマ旬報の評価を
評価年が異なることを承知の上で記すと、
 「愛と希望の街」第33位
 「青春残酷物語」第18位
 「太陽の墓場」第11位
 「日本の夜と霧」第10位
 「白昼の通り魔」第9位
だが、
私としてはそんな評価に反して、
長編デビュー作の「愛と希望の街」が
社会告発のスケール感と共に
編集の良さを感じる、5作品の中では
最も好きな作品となった。

さて、大島渚と言えば、その中期に
「絞首刑」「少年」「儀式」等の
名作が多いイメージだが、
私にとっては
観る機会が失われていることが残念だ。

KENZO一級建築士事務所