ネイバーズ(1981)

劇場公開日:

解説

 郊外の住宅街に移り住むことにしたアールとその妻イーニド。彼らはのんびりした生活を満喫しようとするが、そのお隣にビックと妻ラモーナが引っ越してきたことから事態は一変。人の迷惑など全く省みないビックとアブナイお色気を振りまくラモーナに、アールは振り回されるハメに。彼は平和な生活を取り戻すことができるのか? 「ブルース・ブラザース」のベルーシとエイクロイドが組んだドタバタコメディ。

1981年製作/96分/アメリカ
原題:Neighbors
劇場公開日:1982年

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映画レビュー

3.5希少な体のベルーシ

2021年6月12日
PCから投稿

ベルーシとエイクロイドがいるなら、はちゃめちゃをやるのはベルーシであり、まじめな幕下となるのがエイクロイド──のはずである。エイクロイドが単独ならば、エイクロイドは堅も柔も演じるが、コンビ的にふたりいるなら位相は決まっている。

──はずなんだが、この映画では逆になっている。

個人的によく憶えている映画だが、ロッキーのアビルドセン監督なのに、地味でテンションが下がりっぱなしの笑いで、おそらく興行も評価も失敗している。(と思われる。)

わたしは昔VHSのレンタルで見て、なぜかとても気に入って、ダビングして繰り返し見た。ことを憶えている。

上述のごとく、ここでははちゃめちゃなのがエイクロイドで、ベルーシは真人間のサラリーマンなのだが、口数のすくない堅物な男をベルーシが演ると、いつもの(SNLやアニマルハウスなどの)ベルーシらしくなくて、妙にジワる──のである。

「おかしな隣人もの」というハリウッド映画のいちジャンルがある──と思う。
タイトルは同じなものの(おそらく)まったく関係がないが、セスローゲンとザックエフロンのネイバーズ1・2や、ゲームナイトやカジノハウスなど、隣人を巻き込んで(あるいは巻き込まれて)はちゃめちゃをやる映画は、ひとかどの需要をもっている──はずである。たぶんそれをはじめて認識した映画だった。わたしの中ではカルトである。

ところで、ここに出てくるエイクロイドの妻が、Cathy Moriartyという女優で、妖艶な魅力があり、お堅い(設定の)ベルーシを幻惑する──のだが、その当時Cathy Moriartyは「珍しいVamp型」と評されていた──のを憶えている。

昔かじった知識だがVampは、すごく古いハリウッドの呼称で、吸血鬼(Vampire)からのもじりで、男を誘惑し食い物にするタイプの女優に冠されるあだ名だった。
要はセックスシンボルなわけだが、ありがたい呼び名──というわけでもなく、蓮っ葉な気配のある、スラッティーで、B級な女優がVampと呼ばれた。イギリスのDiana Dorsみたいな感じの女優が合致する──と思う。

とうぜんVampは知的ではない感じが望ましいため、近代になって消えてしまった。(おそらく70年代には既に無かった。)
つまり、ある程度のおバカ気配がありセクシーな女性──となれば、近現代のコンプライアンスに批准しないのであり、消滅せざるを得ないキャラクターだった──わけである。逆に言えばとても希少な存在だったわけで、だからこそ「珍しいVamp型」と呼ばれたのだが、それもあって、わたしはネイバーズのベルーシとエイクロイドとCathy Moriartyを、わりと鮮明に記憶している。のです。

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津次郎
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