時計じかけのオレンジのレビュー・感想・評価
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時計仕掛けのオレンジ
1978年の映画。近未来の若者の姿を描いたとか。
題名に惹かれて観たのですが、苦手な映画でした。
暴力とレイプを繰り返す若者の、リーダー的存在の男性を描いた作品なんだけれど。彼や周りの人間の心の中が描かれて無い様に思えて仕方がない。
確かに人を描いているのだけれど、事柄の羅列ばかりで
そう、、、絵画を見せられている様な感じがした。
私にとっての救いは、モダンな空間と明るいシンプルな色使いのオシャレ感があった事だろうか、、、
あと、若者のセリフが独特の造語の様で、字幕を読むたびに分かりにくくて、それ必要??と思ってしまったのは私だけだろうか。
悪の雰囲気を楽しむ映画かなあ。
嫌だ、嫌だと思いながら観たからか、なんか心に引っかかってしまう映画でした。
自由と法
結構アレックスに感情移入してる人も多いようだけど個人的には外道すぎて罰として妥当であるようにしか思えなかった。ただアレックスに共感出来なくてもこの映画が傑作なのは間違いない。どんな感想にせよ誰が観てもすごいと思える作品だと思う。
個人的には個々の自由と社会秩序を両立させることの難しさを強く感じる作品だった。この映画でフレデリック大臣派を責めるのは簡単だが、君の家にアレックスが来てレイプ、恐喝、強盗の類をされても個人の自由を尊重すると言えるだろうか。もちろん映画の治療法は非人道的だけど政府が犯罪者更生に過激になってしまうこと自体を弾糾できない。神父の言う通り個人が選択能力によって善を選ばせないと意味が無いと言うのはもっともだが、快楽で犯罪を繰り返す人間がその能力を取り戻すのは明らかに至難の技だ。自由は尊ばれないといけないとは思うが相手に自分を傷つける自由を与えられるほど寛大な人間もそうそういない。だから法がある。どんなときも反権力だ、俺はアナーキストだなどと言ってる場合じゃない。
…そう思っちゃった人間なので、アレックスに共感ではなくずっと俯瞰的に鑑賞していました。
個人的にダークヒーローだなぁと思ったのは奥さんを凌辱された作家のお爺さん。
我が国の自由のためにアレックスの悪行も自由として許した…と見せ掛けて嬉々としてアレックスを自殺に追い込む。あのお爺さんの憤りとも恍惚とも言えない表情が素晴らしかった。
お爺さんの睨みをきかせた目とワインに毒でも入ってるんじゃないかと震えるアレックスのカットも大好き。並ぶとアレックスの小物感も際立つし。
一種の政治犯としても血に飢える老人としてもわたしは作家の方がクールだなぁと思いました。
あと書いていて自分の本文に使用できない文字が含まれていたらしい。…この作品のあらすじだから仕方ないのに…
私の言葉で誰かが憤慨しても責任は取れないので控えろと言う訳か。
でもこうしないと荒らしとか排除出来ないので一概に自由の阻害とも言えない。
社会の中の自由って難しいよね?
いつか、もう一度観てちゃんと書く、気になり続けている映画
30年以上前に観た時、正直、好きな映画とは思わなかった。当時、「2001年」でキューブリック監督を知り、本作と「博士の異常な愛情」を名画座で観ることができた。「2001年…」と「博士の…」はジャストミートで満喫できたが、本作はどちらかと言えば、嫌いな映画。しかし、評価は非常に高いので、今でも気になっている映画。
たしかに、体制と自由、管理と反逆といった主題で、もう一度ちゃんと観たい映画かな。
キューブリックの目
実に初鑑賞。
これが1972年作品というのが一番の驚きで、
画面の細部にまでこだわり抜いたセンスの素晴らしさに始終、感動した。
アングルの素晴らしさ、小道具ひとつひとつのこだわり、
遠心力の皮肉ささえも、
ああ、キューブリックったらもう!と自分の親戚みたいな口調になってしまう。
現代ではgoproでスーパーカメラばりの水飛沫が撮れますが、
この時代にそれをやってのけたキューブリック、
いったいどれだけの先見の明を持っていたのか!!
原作を破壊することで有名で、
原作者からは糞だの恥だの言われ続けたキューブリック、
しかしあなたが残した功績は大きい。
黒澤とキューブリックだけを観て育てと言う先生も居るくらいのカリスマ性。
私は脚本よりやはり映像に魅せられたほうなんですけどね。
あの猫屋敷のオブジェや、おっぱいミルク、
本当にステキでした。
最後まで着地点が見えない展開
全く前情報なしで鑑賞。
ホラー映画ではないものの、かなり「怖い」映画です。
字幕の表現が独特過ぎてあまり理解できなかったですが、全体のストーリーの理解には影響ないのでご安心を。
人は簡単には変われないということか…
主人公は同情の余地がないほどの犯罪漬けの毎日を送る犯罪製造マシーン。が、出所後の彼は確かに暴力を振るわないし、他者から傷つけられ、弱い立場になる。自業自得とはいえ、そんな彼のことが可愛そうに見えてしまう自分が少し嫌になった。
ラストシーンには驚いた。結局悪はどこまでいっても悪でしかないのか…。
出てくる人たち全員狂っている世界
レビュー評価がとても高く、この映画と比較しているレビューを書かれている人がいたので観てみました。
うーん、なんというか、ここまで痛烈な社会風刺をすると全員気狂いに見える凄まじい世界観。そしてどうしても「ultra violence」が酷すぎて好きになれない…。何度も見るのをやめたくなった。これを評価できる人は何を高く評価しているのかわからない。
主人公のアレックスは世の中を舐め切っていて、暴力、強盗、レイプなどに明け暮れ、殺人を犯して刑務所行きになるのだけど、実に短絡的で道徳観が欠落した人間。
そんな彼がおかしな心理療法を受けて暴力ができない身体になるかわりに刑務所から出てくるが、根本的には何も変わっていなくて、単にパブロフの犬的な療法で悪い感情が出ると吐き気がして動けなくなったり、自殺したくなってしまう。
んで、そんな身体になった彼はタブロイド紙に追いかけられる存在になるのだが、政治的に利用されて殺されそうになったり、果てまた逆に政府に持ち上げられて世論を動かしたり。
出てくる人たちの掌返し感がなんとも滑稽で、世の中に対する批判を風刺しているのはわかる。時計仕掛けという言葉はまさにこのロボットのような右往左往する感じなんだろうなと思いつつ、勝手に生きているように見えるアレックス自身が実はその渦の真ん中にいるというのがまさに皮肉でもある。
ここまでくるともはや世の中は絶望でくだらないものにしか見えなくて悲しい。
無駄にアーティスティックな内装や音楽が色々出てくるが、どれも滑稽さを誇張している感じがした。
うーん、気持ち悪い。二度と観たくない。
この映画を観てから「ジョーカー」を観れば良かった。
こう言う映画は苦手だけど、
午前十時の映画祭のラインナップに入っていて、
それなりの評価と映画史的に重要な作品なので、
勇気を出して観て来ました。
ビジュアル的には流石にキューブリックで、
レコードショップとか主人公の住まいのインテリアとかが
なんかカッコイイのよね。
で、暴力シーンやレイプシーンに最初は引いてしまうけど、
中盤からちょっと様子が変わって
直接的な暴力よりも、有る意味もっと怖い世界へと
話が展開して行くのよね〜
若い人に解りやすい例だと数年ぶりに新作が放送される
アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の世界観、
あんな感じの洗脳とか管理社会とかに興味のある人には
楽しめるかも〜〜
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
不謹慎ながら観ているうちに
暴力シーンなのに
ちょっと笑ってしまう様な作りになってる。
大きな大きな、ある芸術作品で
金持ち女性のお口を攻撃する暴力シーン!
酷いシーンなのにバカバカし過ぎて笑ってしまう〜
一周回って、なんという恐ろしさよ〜
この世の中にはどうしようも無いけど
一定程度は「反社会的」な人間はいる
だからと言って、
すべての人間を洗脳、管理する社会はとても、とても危うい〜〜
この映画を観てから「ジョーカー」を観れば良かった。
暴力というもののもっと違う何かが観えたかも〜〜
@お勧めの鑑賞方法は?
「映画館で集中して観て欲しい〜」
何故「2001年宇宙の旅」から一転コレを作る気になったのか?
キューブリックの性格がチョー分からんw
午前十時の映画祭で鑑賞。映像も音も綺麗✨
やはりこの映画は第九🎵
不良少年アレックス達は街で強盗、暴漢、レイプを繰り返す。ある時アレックスだけが捕まり人格改造実験をされ、別人になるのだが、、、。
最初観た時は凶暴で無慈悲で考えた人凄いなと思いましたね。「雨に唄えば」暴力やレイプシーンなんて観ている人をあえて突き放す様な映像。
そして人格改造シーン。犬や猫の去勢や競走馬のブリンカー等に通じ、何故今まで人間には無かったのだろうか?的発想。
アレックス役マルコム・マクダウェル。あの顔つきは当時映画に出しちゃいかんでしょ?w的。
後半仔羊になってしまったアレックスを落とすだけ落とす展開には無口になってしまう。
昔の作品ってある程度落ち着きのある作品ってイメージでしたが、落ち着きの無い&観客を突き放すこの映画はかなりインパクトありました。ホント何故これが超落ち着き&観客を引き込む映画「2001年宇宙の旅」の後なのだ?真逆の映画では無いか?
不思議でたまらん。
キューブリックの当時の事を考えながら観る作品です。
マルコムの演技がイチバン!
名曲「雨に唄えば」が暴力シーンに使われるのは知っていましたが、実際に観ると、アレックスの性格を表現するのに、上手く使われていましたね。
さすがキューブリック!
(いや、原作通りなのかな?)
アレックス役のマルコム・マクダウェルの演技無しには、この作品がここまで名作と呼ばれることはなかったでしょうね。
性と暴力の勝利
どれだけ外的力が加わっても、人間の本能は消え去ることはないだろう。
未だかつてないくらいの美しいバイオレンスだった。
キューブリックが作る世界観が本気でかっこよすぎた。たぶん今後も観ることになるであろう映画だと思う。(割と長尺ではあるが)
映画のあり方として、
カタルシスとしてもウルトラバイオレンスが超クールに描かれているのはありだと個人的には思う。これは現実では出来ないことをアレックスが代わりにしてくれている感覚になる。ずっとアレックス視点で描いているから。こんなにも嫌な気持ちにならない残虐性があるのかね。
そこまでグロさがないのも私的には好きなポイント。
あと、性器がモザイクなしに劇場で観れたことに感激した!モザイク加工に萎えなくて済んだ!
やっぱり鑑賞後にどう考えても、アレックスは魅力的だわ。憧れとかそんなんじゃなく、ただただクールで、パワーの象徴。まじでファーストシーンのにらみからもう鳥肌ものだったけどね。
『時計じかけのオレンジ』原作とスタンリーキューブリックの出会いが奇跡としかいいようがない、映画でした。キューブリックの過度に表現しない感じ(抑えめな感じ)が良かった
原作のバージェスが造った造語のセンスとキューブリックの世界観が本当にぴったりだよね。
めちゃくちゃ人と語り合えるだろうけど、何を言うにも危険が伴う映画だねえ。
ま、古典なんでしょうね
午前10時の映画祭で、ようやくきちんと見ることができた。けど、今思えば見ないままのほうが良かったかも。
1972年当時なら最新で最高で最狂の映画だったかもしれないが、今見ると、良い意味でも悪い意味でも古典でしょう。
主人公に感情移入できないし、ラストのオチも今ならありきたりと言わざるを得ない。
まあ、詳しい人はいろいろ解説できるんでしょうが、私は少しも面白いとは思わなかった。
キューブリックの映画って、これといって好きになったのが無いなあ。
3回目で監督の意図をなんとなく理解できたような気がする
時計じかけのオレンジを最初に見たのが高校3年生の時で1970年代、2回目は1990年代、今回で3回目です。若いときは分からなかったけど、今になって政治映画だということに気がつきました。20年後、私が80代になってもう一度見ると、本当に理解できるのかも知れません。
ただ、歴史的、文化的、宗教的に異なる環境(特に聖書の一節は、たぶん、重要な意味があるのでしょうが私には全く分かりません)にいると、やはり本当には理解できないのかも知れません。
よくわからなかったけど、凄かった
・午前10時の映画祭のおかげでスクリーンでの鑑賞。大きな画面で美人の裸が観られるのが良かった。全般、悪趣味な美術でマッドマックスと現代との間の近未来のようなディストピアのセンスが凄いなぁと思った。
・未来らしく独自の単語を多数つかっていたのがややこしいなぁと思ったけど、未来っぽい感じがして面白かった。
・アレックスの矯正方法が脳に電流とか流すのかと思ったら薬を打って映画を観せる。というのが面白かった。それが、物凄い効いてて更に面白かった。それについて、ラストまで話が繋がるのは驚いた。
・不良グループが警察官になったり、政府が人格を改造することを推し進めたり、結果、個人の諸行というより、根本は国家の諸行の末に不良が生まれるのかと、思ったら怖かった。
・ブルジョアとプロレタリアートの二者対立は未来永劫続くんじゃないかと思い、やや憂鬱になってきた。
アルトラ・ホラーショー
臆せず全裸をそのまま写してくれる映画が好き。
アレックスの青い目がとても印象的だった。
片目のつけまつげがなんだか色っぽい。
独特の言葉を使うのでたまに何が何を指すのか不明になるけど、何となく伝わるのも面白い。字幕の人は大変だっただろうねぇ。あン?
前半の無邪気で恐ろしい暴力描写にときめいてその犯罪行為の数々に大興奮していた。
猫夫人とのやり取りが好き。
あの置物の意味深な動き方はなんなんだろう。おきあかりこぼしみたいな物なのか?
何より、早送り乱行シーンってこれか!というちょっとした感動よ。
暴力レイプシーンがとても良かっただけに、後半のアレックスの散々な扱われ方は少し残念に思った。物語としては面白いんだけど。
独裁リーダーは迂闊に落とされる。
あっさり捕まってからの弱い抵抗と真面目さがなんとも惨めなことよ。
かの有名な強制目ん玉ひん剥きシーン。
こちらの目も痛むようで、わざと多めにまばたきして自分を誤魔化しながら観ていた。
超暴力は悪、超暴力は悪、超暴力は悪。
カリスマがあっさり屈服される様にガッカリしつつ、その実験的治療の気持ち悪さに震える。
解き放たれたアレックスのこれまた可哀想なことよ。
過去との再会にハラハラ。
特に老作家。いっそ直接的に残酷に手を下して欲しい、だとか、例の治療など無かったかのように平然と返り討ちにして欲しい、だとか、そんな考え無粋なんだろうな。
HOMEに入った辺りから、正直もうどう観ていれば良いのかわからなくなった。迷わされる。
一つ一つのモチーフも気持ち悪い人しかいないキャラクターも好き。
スタイリッシュな映像表現に高まるし、ベートーベンを「ルートヴィヒ・ヴァン」と呼ぶセンスに感嘆した。
ただ、焦点を合わせる先がだんだんぼやけてきて、どんどん興味が薄れていってしまったのも事実。
アレックスに嫌悪感や怒りを抱ければまた見方も違ったんだろうけど、私は犯罪漬けの彼のほうが好きで、その頃の彼に変にこだわってしまった。
もっちゃもっちゃ…パコッ!の餌付けシーン、大臣との会話の内、凝縮されたスリルが走った一瞬の間がたまらなく好き。
治ったというか、戻ったようにも思えたんだけど。
ストレートな犯罪も正義で固めてみせた治療も取り繕い方も全部全部イカれてるんだよね。
人間って嫌ね。面白いよね。
午前10時の映画祭にて、初鑑賞。
この作品をスクリーンで観られて良かった。
パイオツミルクマシーン笑った。
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