劇場公開日 1979年

「巻き込まれ型スリラーの傑作」逃走迷路 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0巻き込まれ型スリラーの傑作

2022年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1942年(アメリカ)監督:アルフレッド・ヒッチコック。
ハラハラドキドキ、面白かったです。
さすがヒッチコック作品。期待以上の出来です。
飛行機工場に勤める平凡な男・バリー(ロバート・カミングス)が、
工場の放火事件の犯人の容疑をかけられてしまう。
火事の時に消火器を手渡したフライという男が怪しいと踏んだバリーは、
ある手掛かりからフライの居場所を「ソーダシティ」と知り、
嫌疑を晴らす為にヒッチハイクをして単身「ソーダシティ」へ乗り込むのだった。

なんのスキルもないただの平凡な男バリー。
逃亡の行く先々での機転、大胆にも敵のパーティ会場に乗り込んだり、
スパイも真っ青の大胆な働き。
おまけに美人で鼻っ柱の強いモデルのパット(プリシラ・レイン)と恋仲になる・・・
なんとも羨ましい男性です。

後半に入る所で、10分位フィルムが飛んだのかと思いました。
突然、舞台はNYに飛んでおります。
金持ち夫人のチャリティー・パーティ会場に変わってました。

そして映画は佳境に入ります。
飛行機工場に放火した一味は、意外にも資本家階級の人間で、ナチスの息が
かかっているのでした。
この辺、動機や思想に確たる裏付けがなくて、やや説明不足ですね。

ただヒーローのバリーは、フライを見つけ出し、彼の新しいターゲットが大型客船の
進水式だと知るのです。
スパイアクションに早変わりして、進水式を破壊する爆薬のリモコン・スイッチを
押すの?押させないの?
イヤ、押しまっせ!!と、
映像もパワーアップしてきます。
そしてクライマックスの「自由の女神像」での攻防。
本当にヒッチコック監督は見せ場を作るのが上手い。
この「自由の女神像」の途中にぶら下がるフライ。
一体何処から撮影したのでしょう?
(小船を出して、そこから望遠レンズでしょうかね!)
「知りすぎた男」「めまい」「鳥」
実に印象的なラストの盛り上げ方!!
あっと言わせて、観客にサプライズとカタルシスを!!
文句なしのミステリーの名手ですね。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2022年6月24日

ネタバレを押すのを忘れました。
すみません。

琥珀糖