東京画

劇場公開日:

解説

「パリ、テキサス」のビム・ベンダース監督が、敬愛する小津安二郎監督へのオマージュを込めて撮りあげたドキュメンタリー。1983年4月、東京で開催されたドイツ映画祭のために来日したベンダース監督は、小津の描いた“東京”を探して街をさまよい歩く。ベンダース監督は撮影のエドワード・ラックマンとともに好奇心の赴くまま、パチンコや竹の子族など当時の“日本的”な風景を記録。さらに小津作品には欠かせない俳優・笠智衆や小津組の名カメラマン・厚田雄春との対話を交えながら、小津の“東京”と、近代化した80年代の東京を描き出す。

1985年製作/93分/G/西ドイツ・アメリカ合作
原題:Tokyo-Ga
配給:東北新社
劇場公開日:2021年11月27日

その他の公開日:1989年6月17日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)Wim Wenders Stiftung 2014

映画レビュー

4.0【“小津の映画は国境を越え理解される。”小津監督を敬愛するヴィム・ヴェンダースが1983年の東京の風景を切り取ったドキュメンタリー。笠智衆や厚田雄春撮影監督へのインタビューシーンは特に貴重である。】

2023年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

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NOBU

5.01983年東京

2023年6月27日
スマートフォンから投稿

笑える

興奮

今とは違う東京の映像。新宿、上野、原宿。最先端のフリしてアメリカのマネをしているアジア、日本人のダサいことダサいこと。ヴィムヴェンダース監督も小津安二郎の「東京物語」のカケラも見出せずに失望して街をうろつく。1983年。自分は小学5年生で、初めて1人で映画館に行った。新宿でプロジェクトAとベストキッド。池袋で幻魔大戦を見に行った年だ。

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ブロディー署長

3.5哀愁漂う一作

2023年5月14日
iPhoneアプリから投稿

小津安二郎の描いた東京に憧れて
日本に来たヴィム・ベンダースだが、
もうそんな東京は残っていなかったという話。

なので全編通して哀愁が漂う。
でもさ、そりゃ何十年も経てば
社会も変わるだろうよ。

食品サンプル工場とかパチンコ店とか
監督自身も興味しんしんな感じが伝わってきて
おもしろかった。

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JYARI

4.0ベンダース監督の嗜好と、笠智衆の証言に触れることができる、貴重な一作。

2022年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『ベルリン・天使の詩』(1987)、『パリ・テキサス』(1984)など多くの作品を手がけたヴィム・ベンダース監督が、1980年代前半の日本の風景を捉えた作品。彼が私淑する小津安二郎監督の足跡を辿るのが本作制作の本来の目的だったため、当初は様々な東京の場面を切り取り、そこに小津作品の痕跡を探していきます。ところがそんな彼の心を奪ったのは、豊かな四季や穏やかな人の営み、などではなく、意外にもパチンコやゴルフでした。

人々が表情も崩さず淡々と同じように台に腰掛けて、玉の行方を凝視し続ける様子、大量のパチンコ玉が穴に吸い込まれていく様子を、彼はひたすら撮影し続けます。劇中の彼自身の独白によると、同じパチンコ店に一日中居続けることもしばしばで、取材で地方に行った後でも、閉店後のパチンコ店を訪れて、釘師が一つひとつの釘を調整しているところを写し撮ったりしています。人々が同じような所作をまるで自らに課した修行のように繰り返す様子に、小津作品の要素を見出した、という側面ももちろんあるのでしょうが、ここまで執拗にパチンコやゴルフの打ちっぱなしに執着しているところを見ると、大量の玉が流れていったり飛んでいったりする様子そのものに強い関心を持っているとしか思えなくなってきます。ベンダースの意外な嗜好が見える場面でした。

彼が撮影した笠智衆のインタビューは非常に貴重で、小津作品によって俳優として完成したと言っても過言ではない笠智衆が、自らの言葉で小津監督との関係を語っていく場面は一言ひとことが味わい深く、興味深いです。小津監督は完璧主義者で、撮影現場の状況を全てコントロールしていた、という証言には、思わずやっぱり…。そして30歳代の頃から60歳代の老人を演じていたと言われて、改めて作中に挿入される『東京物語』の笠智衆を見ると、確かに若いですね。初めてこの作品を観たときは随分老人に見えていたんですが。

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yui
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