劇場公開日 2024年2月16日

「女性版の西部劇、現代版」テルマ&ルイーズ 菜野 灯里さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5女性版の西部劇、現代版

2020年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

対照的な性格の二人の女性同士の友情、逃避行を描く。女性の西部劇現代版。

二人でバカンスで出かけたドライブの途中で、レイプされそうになった一人を助けようとして、レイプしようとした男を射殺してしまう。そこから二人でメキシコへ向かって逃避行をする話し。

人を殺しそうにない善人がふとした弾みから殺人を犯し、メキシコへ逃れたいという強烈な欲望となる。レイプしようとした男を射殺した女性が、過去にレイプされた経験があるようなことがほのめかされるのが効いている。

つまり、単なる激高しただけではない深い理由があったということ。いまから約30年前につくられた映画とは思えない新鮮さがあるのは、女性同士の絆というのがとても活き活きしているからだろうか。

あと、アメリカ特有の広大な原野を走るドライブは爽快で、ラストシーンが悲しくもみじめではない。

菜野 灯