劇場公開日 2008年11月22日

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「カーペンターズの曲が怖くて聴けなくなりそう」1408号室 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0カーペンターズの曲が怖くて聴けなくなりそう

2019年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 LAでサーフィンなんかを楽しんでるオカルト作家のマイク・エンズリン(ジョン・キューザック)。ザ・バンドがかかってるなんてさすがLAだ。おまけに幽霊や怪奇現象は全く信じていない主人公のため、大槻教授がそばについててくれるようで心強い。そんな彼が取材のためドルフィンホテルへ向かうことになるのだが、愛娘を失った辛い経験もあるNYにあるホテルなのだ・・・

 映像化が難しいと言われるスティーヴン・キングの原作。期待で胸膨らむのはB級映画が大好きなサミュエル・L・ジャクソンも出演しているからだ。早速ホテルを訪れたマイクは支配人であるサムエルとやりあう。1408号室は駄目!56人も変死しているし、1時間耐えられる人がいないからだと言うのだ。事前に知人の弁護士に訴えることができるなどと知恵をつけたものだから強気のマイク。なぜだか高価なコニャックをもらい、邪悪な1408号室へチェックイン。

 壁には3枚の絵が飾られ、絨毯にはシミが・・・等々と、作家らしく冷静にテープレコーダーに録音するマイク。ちょっとやそっとでは驚かない彼だったが、ホテルの時計つきラジオからカーペンターズの「We've Only Just Begun」が大音量で鳴り出すのだ。おかげで怪我をして水で傷口を洗おうとしたら熱湯が噴き出す。そして、次々と奇妙な現象が起こり始め、時計は1時間のカウントダウンを刻み始める・・・パソコンもあるし、色んな機器を用意しているのに何故かデジカメを持ってないマイク。

 窓から向かいのビルへ助けを求めるシーンが最高。え、え、え~ぎゃーってな感じで座席から飛び上がりそうになりました。そして、部屋から出られなくなった彼が壁伝いに隣の部屋へ行こうとしたら・・・あれ?

 心に傷を持つ者にとっては陥りやすい心理攻撃。酒を飲んだのもいけなかっただろうし、備え付けのチョコレートも罠だったのか・・・ホテルの部屋全体にトリックを仕掛けたアトラクションのような雰囲気。

 1408号室の恐怖は帆船の絵から水があふれ出たことでアドベンチャー映画に変貌を遂げたかとガッカリし(というか笑ってしまった)、夢オチかよ!とさらにガッカリさせられたが、これがその後に凄い展開。チェックアウトできない・・・こんなことならジグソウに「ゲームオーバー」と言ってもらいたいくらいです。

 ともかくジョン・キューザックの一人芝居とも言うべきほどで、彼の演技力がなかったら駄作になってしまいそう。娘を抱きしめるシーンなんて泣けてきたぞ・・・

kossy
かいりさんのコメント
2019年9月6日

向かいの建物に助けを求めるシーンは最高に絶望でした。

かいり