劇場公開日 2007年6月9日

「Mr.マリックと松尾幻燈斎と栗間太澄は同一人物だ!」プレステージ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5Mr.マリックと松尾幻燈斎と栗間太澄は同一人物だ!

2020年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 超魔術は超魔術であって、超能力ではない。彼の人気が沸騰した当時はマジで超能力を信じ始めた人が多かったし、カルト教団に入信する者が増えたのも一つの要因となっているのかもしれません。彼の芸に対して「あれは手品だよ」などと言うと、「テレビ見てみろよ。本物だぜ」などと切り替えされたものです。「だって、名前がマジックとトリックを混ぜたものだよ」などというと、真剣に「彼はアメリカ人だよ」という人までいました。しかし、マリックは好きだ。週刊誌にタネを暴露されたり、あちこちでバッシングを受けながら、しっかりとカムバックする根性は普通の人間にはできません。

 映画では数々のシンプルなマジックのタネを公開していましたが、ビックリしたのは小鳥を殺していたこと!あの少年の気持ちがわかります。個人的にも子供の頃観た胴体切断では泣きましたもん(豚さん可哀想って・・・)。まぁ、映画ですから何でもできちゃうのですけど、驚いたのはクリスチャン・ベイルが指でコインをくるくると回していたこと。これもトリック?まさかボディダブルとかCGとか?なんだか細かいところに目が行ってしまう自分の人間の器の小ささを思い知らされました。

 ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイルの復讐が復讐を呼ぶ醜い争いも凄まじかったですけど、2人が命を賭してまで芸に励み、そして捨て身技を使ってライバルを陥れるところが最も強烈。しかし、「結末を教えないで」とまでネタバレを警戒しているほどプロットは意外ではなかった。ある人物の存在が気になったら、もう結末は読めてしまいます。栗間太澄がマリックであると見抜いた人なら簡単にわかってしまうのです・・・

 「俺の手に持っているものは?」と質問されたとき、「指輪!」と答えた人はさすがです。ゴラムを演じたアンディ・サーキスが素顔で登場。SFファンタジーのような展開にもなったことも意外な展開だったのですけど、『LOTR』『X-MEN』『バットマン・ビギンズ』に出演している人たちですもんね・・・ちなみにベイルの役名はアルフレッドでしたが、『バットマン・ビギンズ』ではマイケル・ケインがアルフレッドでした。

【2007年6月映画館にて】

kossy