パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド : 特集

2007年5月31日更新

既に4作目の有無について大きな関心が集まっている「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ。その行方はどうなっているのかをまとめてみた。(編集部)

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ4作目の行方は?

先日、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のプロモーションで来日したプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは、記者会見の席でシリーズ第4作目の可能性について「とりあえずは、この3作目がシリーズの最終章だ。今はまず、5年半働きづめだった監督(ゴア・バービンスキー)に家族と過ごす時間を与えないとね。彼が子供たちから顔を忘れられてしまう前にね(笑)」と詳しいコメントは避けている。しかし、実はブラッカイマーこそ、これまで誰よりも早く、そして誰よりも多く、4作目の可能性について言及している張本人なのである。

監督、キャストを引き連れ来日した ジェリー・ブラッカイマー
監督、キャストを引き連れ来日した ジェリー・ブラッカイマー

彼が初めて第4作の可能性について触れたのは、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」の公開半年前、同じく彼のプロデュース作品「グローリー・ロード」の会見の席上だった。「まずは『4』を製作し、その後『5』『6』を製作して新たな3部作を作りたい」という彼の6部作構想のコメントは大いに注目を集めた。

その後、「デッドマンズ・チェスト」が公開され興行的に未曾有の大成功を収めると、財布の紐を握るディズニースタジオのトップであるマーク・ゾラディ会長が「3作目は3部作の一旦の締めくくりとなるが、それは最後の『パイレーツ・オブ・カリビアン』にはならないと思う」と発言し、4作目以降の続編製作をほのめかした。

この頃には、ディズニー内部関係者からの話として「『パイレーツ・オブ・カリビアン4』でオーランド・ブルーム演じるウィル・ターナーが死ぬことになる」という、第4作の製作が既成事実であるかのようなまことしやかな噂まで飛び出す始末。このゴシップは多くのファンに波紋を投げかけ、最終的にディズニーが「まったくのデタラメ」と完全否定するコメントを発表し事態を沈静化させなけらばならないほどだった。

こうした周囲の過熱ぶりをよそに、さらなる続編に冷ややかな反応を示す関係者もいた。シリーズの脚本家であるテッド・エリオットとテリー・ロッシオだ。2人は「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」でシリーズを終えるべきだと語り、ヒロイン、エリザベス・スワンを演じるキーラ・ナイトレイからは「『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにはもう出ない」と、卒業宣言まで飛び出した。

だが、こうした否定的反応がある中でもブラッカイマーは止まることなく、さらなる続編製作に意欲を示し、「ある本の映画化権を獲得したので、それを下敷きに物語を作っていきたい」と具体的に続編の計画を推し進めてしていることを明かしていた。そんなブラッカイマーや周囲の声に根負けしたかのように、脚本家コンビのエリオットとロッシオは、「製作を求める声とそれに反対する声の両方がある。僕らは脚本を書いてみようとは思っているけど、十分なものが書けるどうか、何とも言えない」と脚本を執筆することを結果的に明かすまでになった。

様々な反応がある中、ジャック・スパロウを演じたジョニー・デップだけは、首尾一貫して「キャプテン・ジャック・スパロウを演じ続けたい」と事あるごとに語っており、それは「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」が公開された今も変わっていない。こんな一本気なデップを援護するかのように、プロダクションデザイナーのリック・ハインリクスは「ジョニーが興味を示してるのにやらない手はないだろう?」と製作を薦めるコメントを残している。

ジョニデは変わらずやる気満々
ジョニデは変わらずやる気満々

来日直前の5月上旬、ブラッカイマーが「第4作目はこれまでのシリーズに登場したキャラクターによるスピンオフ的な作品になるだろう」とコメントし、着々と計画は進んでいる様子を伺わせている。最近ではバービンスキー監督がシリーズからの離脱をほのめかしているが、ジェリー・ブラッカイマー、ジョニー・デップ、ディズニースタジオの3本柱が揃っていればシリーズ継続に何ら支障はなさそうだ。

09年の撮影開始をディズニーが予定しているとの噂もあるが、はたしてキャプテン・ジャック・スパロウの冒険の新たな船出を見ることは出来るだろうか?

※ここから先は本編鑑賞後にお読みください。

「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のラストには、さらなる続編への伏線と思われる伝説の“若さの泉”への地図が登場する。実は、エリオットとロッシオによる初期段階の脚本(レッドスクリプト)では、地図ではなく16世紀のスペインの探検家ポンセ・ド・レオンの旅の記録を示した手帳を、キャプテン・バルボッサがそれを人魚から入手するまでが詳細に描かれている。

エリオットとロッシオは、3部作の製作を見越して第1作目の脚本を書いたことを過去に明かしているが、果たして、彼らは「ワールド・エンド」でも、さらなる続編を見越した上で脚本を書いたのだろうか?

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